[1813] 5月の演奏会(1)

  • 2018.05.05 Saturday
  • 01:39

❖ 城下町での優雅な邸宅コンサート

・5月28日(月) 午前11時開演

・加賀市大島邸(大聖寺敷地町)

 

・僕の郷里・福井市に在住のクラリネット奏者

 中曽根有希さんは、1988年度ミス・インター

 ナショナル日本代表にも選ばれた素敵な女性、

 現在北陸を拠点にして、音楽演奏のみならず、

 珈琲学やアロマテラピーなどの分野でも、幅広

 い文化活動を展開されている活動家です。今年

 1月にもトピック[1804]でご紹介したように、

 旧作、箏とクラリネットのための「巷歌拾遺」

 (1994)を再演していただきました。

 

・ところで今回の演奏会の会場は、お隣り石川県

 の加賀市、が現在の呼び名ですが、むしろ僕に

 は旧い呼称、大聖寺の方がぐっと親しみやすく、

 県境を越えて直ぐの、福井では見慣れない赤い

 色の屋根瓦の家が立ち並ぶ加賀前田藩の支藩の

 城下町。大島家のお宅での「おもてなしコンサ

 ート」を、邦楽器の大谷祥子さんという箏曲家、

 実は本願寺裏方で、福井県あわら市吉崎御坊蓮如上人記念館館長も務めておられる御方との

 饗演で開催される予定です。

 

・「春の海」や「西行桜」など、邦楽の古典や近代の名作に加えて、3年前に作曲した僕の作

 品で、中曽根さんに初演していただいた 箏とクラリネットのための「空いろの初夏」(20

   15) を、また今回も採り上げて、大谷さんの箏との共演で再演して下さるとか、とても嬉し

 く感謝しています。会場にお伺いできず残念ですが、当日のご成功を祈っています。


 

[1812] 6月の演奏会(1)

  • 2018.04.27 Friday
  • 23:10

❖ 松本市での二十五絃箏の定期演奏会

・6月8日(金) 午後7時開演

・ザ・ハーモニーホール(小) (松本市島内)

 

・松本市在住の二十五絃奏者・田中静子さんの、

 毎年恒例となったジョイントリサイタル、あり

 がたい事に、お付き合い始めてから、もう6年

 になるのですが、このブログを立ち上げてから

 でも、2014201520162017、 そして

 今年、と毎回、僕の作品を採り上げてくださっ

 ています。今年演奏される僕の作品は、すでに

 2014年に演奏された曲の再演です。

 

ヴァイオリンと二十五絃箏のための

          「風の里歌」(1995/2014)

 

・4年前のヴァイオリニスト降旗貴雄氏を、再び

 ゲストに迎えての再演です。N響の降旗氏の見事

 な演奏に、僕はすでに4年前に感服しています。

 今年のお二人の演奏も、きっと期待に背かない

 素晴らしいステージになる事を期待しています。

  故郷に帰ってきたような気分になれる程よいサイズの城下町・松本市を、今年また訪れる機会

 ができたのも、嬉しいことです。

 

 

 


 

[1811] 新しい作品の完成(28)

  • 2018.04.26 Thursday
  • 09:38

❖ 秋の東京定演に出品する2曲目

前トピックに続き、数日後にこの作品を完成し

 ました。作詩者の入船氏は、昨年の会にも「夏

 休み」でご一緒した詩部門の会員です。

 

・「冬の夜話し」(2018) (詩・入船康和)

 

・左に掲示した手書き浄書譜面の冒頭に、歌詞を

 載せていますが、不鮮明ながら視覚的にも判る

 ように、この詩は整った4行3節からなる詩型

 で、まさに「有節歌曲」つまり同じメロディー

 を1番2番3番と歌詞を変えて歌って行ける、

 詩そのものが音楽的にできている好都合な作品

 です。通常の歌では、童謡から演歌までそれが

 「あたりまえ」なのですが、いつの頃からか日

 本歌曲では、そういう形式の整った詩を書く詩

 人が、僕の所属する会ではいなくなり、今では

 自由詩が主流となってしまいました。

 

・今回、この作品に巡り合えたことを、僕は僥倖

 と喜び、「この道」や「あかとんぼ」の先例に

 ならって、ピアノ伴奏は3回とも変えないまま、歌のメロディーも1番のメロディーに従う

 ことを原則として(言葉のアクセントが異なる個所だけ微調整して)愉しみながら作曲を進

 めました。掲示の楽譜、一見するとピアノ伴奏譜の上に、女声三部合唱が書かれているよう

 に見えますが、実際は、下から1番2番3番と、ソロの歌唱パートが記譜されているのです。

 

・僕が、これまで一時期には役員も務めさせていただいた日本歌曲の会では、新作の歌曲はす

 べて「首都圏を中心とする標準アクセント」に従うことを原則としていて、この作品も含め

 僕の歌曲作品は、関西弁による幾つかの作品以外は、全てこの方針に従っていますが、こう

 いう有節形式の歌曲でも、それを守るべきかどうか、判断の難しいところです。「からたち

 の花」では、厳密にアクセントに従って、異なるメロディを書き分けた山田耕筰が、「あか

 とんぼ」ではメロディの書き分けをせずに、第3節の「十五でねえやは嫁に行き」を敢えて

 「十五でねえやは夜目に雪」と誤聴されるリスク?をものともせずに、メロディをそのまま

 にした事を、僕は「耕筰の見識」として、心から評価・敬服しています。

 

・曲のコメントが最後になってしまいました。「冬の夜話し」(あえて「し」という送りを加

 えた詩人の配慮。これがないと「夜話」が「ヤワ」と呼ばれるかも知れず。)は、冬の夜寒

 に語られる登山男ヤマオトコの述懷です。‥‥‥(1) 風が戸を叩く冬の夜は 笛と喇叭を奏

   でながら むかしの山友トモが夢に現わる 山小屋ヤマヤのころが懐かしい  ‥‥いささか

 ぶっきら棒で、措辞にも仲間言葉が使われる男唄。湿っぽくない音楽を、これに配しました。

[1810] 新しい作品の完成(27)

  • 2018.04.11 Wednesday
  • 22:22

❖ 秋の東京定演に出品する1曲目

・現在もう僕は会員ではなく、名誉会員にして

 頂いているのですが、昨年の第1回公演に続

 き、今年の秋にも、もと我々の本部組織だっ

 た東京の「日本歌曲振興波の会」主催による

 第2回定期演奏会(新作の会)が開催される

 予定です。

 

・僕も要請されて、会員の詩に2曲ばかり曲を

 つけて初演していただくことになりました。

 その1曲目がこれです。

 

・「想い出がふる」(2018)

                              (詩・いしかわ きんえつ)

 

宵やみのとき きみがため あめがふる 

 きみがため 吾がほほがぬれる

 ‥‥‥と歌いだされる叙情的な佳篇。詩形の

 上では自由詩の形態ですが、措辞には詩語の

 繰り返しが意図的にはかられていて、とても

 詩自体が「音楽的」で、楽しみながら作曲を

 進めました。自分にとっては久々の短調による作品になりましたが、過ぎ去った日々を歌

 う中間部では、穏やかな長調に移り、ここには周知の「垣に赤い花咲く‥‥‥」の旋律が

 ひっそりとピアノで重なってきます。‥‥‥夕暮れの街に降りだした雨が呼び起こす遠い

 恋人との想い出を歌います。


 

 

[1809] 4月の演奏会(2)

  • 2018.03.21 Wednesday
  • 15:04

❖ 試練を乗り越えての再出発、第2回公演  ・この演奏会は終了しました

・4月22日(日)午後2時開演

・京都府民ホール・アルティ(烏丸通一条下ル)

 

・法人解散ののち、昨年4月に社団「日本歌曲

 関西波の会」として最初の演奏会を開催させ

 て頂いた我々でしたが、これまでの聴衆の皆

 様からの変わらぬご支援のお蔭で、無事盛会

 の中で大阪フェニックスでの公演を閉幕させ

 ていただきました。会長として、ここに深く

 御礼申し上げます。そして、この機運を逃す

 事なく、今年も引き続き、恒例のように会場

 を京都に移して第2回の(通算では14回目の)

 演奏会を開催の予定です。

 

・ただ、昨年9月、我々の会には思いもかけぬ

 甚大な悲報が届きました。これまでずっと、

 歌い手連中の陣頭指揮?をとっていた副会長

 の内藤千津子さんが、数年前から療養を続け

 ていた体内の病魔によって、遠くへ旅立った

 のです。‥‥‥ようやく新しい一歩を踏み出

 した我々にとって彼女の死は、まさに痛恨のきわみでした。しかし、その事実が生き残っ

 た我々を団結させる結果となり、新しい会員も増えた中での、今回の公演となりました。

 

・内藤さんの他にも、昨年7月には、かつての母体である「日本歌曲振興会波の会」の名誉

 会長で、名曲「落葉松」の作曲家・小林秀雄氏も逝去されました。我々の会の生みの親の

 お一人です。そのような事情もあって、今回の第2回公演は、お二人を偲ぶ、いわば追悼

 演奏会でもあるのですが、聴衆の皆様をお迎えした上は、あくまでも季節にふさわしい爽

 やかな舞台作りに徹しようという事になっています。

 

・小林秀雄作品を、追悼として何曲か歌う時間のつごうで、今回僕の曲は次の1曲だけです;

 

・ソプラノ二重唱「月に寄せる子守り歌」(詩・貞松瑩子) (2004)

 

「ものみな眠る夜なのに ひとり旅する影がある 旅するひとは誰でしょう‥‥‥」と歌い

 出される、貞松瑩子さんの詩にしてはとても判りやすい、3番まで続く定型詩。前田よし子

 さん、片山映子さん、二人のソプラノで歌います。「おやすみ、おやすみ、おやすみなさい」

 と各節ごとにリピートされるリフレインが、今は亡き内藤千津子さんに呼びかけるように、

 鎮魂の想いを込めて、プログラム前半(第1部)のトリで、優しく歌われます。

 

・まだ4月というのに、夏を感じさせるような陽気になりましたが、雨でなくて足場が良かっ

 たのは幸いでした。仲間の内藤さんを失って意気消沈していた我々を励ますように、いつもと

 変わらず多くの来聴者があり、盛会の中で無事に最後のステージまで滞りなく進み、終演しま

 した。第1部の最後に歌われた、僕の「子守歌」二重唱も、慰謝と鎮魂の思いを込めて、感銘

 深いものでした。歌唱指導をしていただいた顧問の上村京子先生が、当日はるばる長野市から

 お越しいただき、また、名古屋波の会の会長・伊藤晶子先生も、ピアニストの伊藤真理さんと

 母娘ともどもに来席くださって、たいへん名誉な事でした。‥‥今年が京都だったので、来年

 は大阪です。すでに2019年4月21日(日)梅田新道フェニックスホールが抑えてあります。


 

[1808] 4月の演奏会(1)

  • 2018.03.21 Wednesday
  • 14:00

❖ 楽友の記念演奏会へのお祝いに     ・この演奏会は終了しました

・4月8日(日)昼12時30分開演

・兵庫県立芸術文化センター

     KOBELCO大ホール(阪急西宮北口)

 

・楽友として10年余に及ぶ、二代狩屋春樹さん

 は、父君の初代狩屋春樹氏の跡目を注がれて、

 今も多くの門下を育成しておられますが、今

 年は初代生誕100年との事、それを記念して

 の意欲的な定期演奏会を、兵庫芸文大ホール

 において間もなく開催されます。同時にこれ

 は二代春樹さんの継承30周年でもあるとの事、

 重なっての祝儀です。

 

・すでに昨年夏ごろ、この日のために新曲を書

 いてほしいとのご相談を受け、秋10月下旬に

 次のようなタイトルの小品を完成しました。

 

・三絃・二十絃・十七絃のための三重奏曲

                   「青葉の波」(2017)

 

・室町時代末の大和国の領主・十市遠忠が詠んだ青葉の和歌にインスパイアーされて、この曲

 を作曲した経緯は、すでにトピック[1734]でお伝えしていますが、季節が夏へと向かう頃の

 緑の色も鮮やかな青葉若葉、風に乗って波のようにうねり広がる繁茂の目出度さを、音楽に

 しました。ささやかながら、信頼する楽友への「お祝い」として献呈しようと思います。

 

・初代生誕100年/二代継承30周年を記念しての特別演奏会という名に恥じない、大ホールを

 ほぼ満員に埋めての立派な演奏会でした。プログラム前半すべて初代狩谷氏の4つの作品が

 占め、後半の6ステージの内、3ステージは二代狩谷さんの作品、中間をつなぐものとして、

 唯是震一氏、中村茂隆氏、それに僕の作品が花を添える形で加わりました(主演の箏奏者の

 体調不良で、やむなく唯是氏の作品が演奏できなかったのは残念でしたが)。舞台の最後を

 飾った二代狩谷さんの「魅せられてシリーズ」は、それ自体が3つの大きなパートから構成

 されている意欲的な舞台で、二重奏、三重奏の室内楽的な舞台から、約100名近い門下生や

 尺八奏者が居並ぶ大合奏まで、よくもここまで指導を重ねて来られたものだと感服しました。

 破綻なくぶじに最後のステージまでご成功された快挙に、心からの賛辞を送ります。

 

・今回の記念演奏会のために、わざわざ僕へ委嘱を指名していただき、とても光栄な事でした。

 古歌にもとずく「青葉の波」という小品を祝儀させていただきましたが、素晴らしい三人の

 息のあったアンサンブルのお陰で、完璧な初演をこの大ホールで響かせていただき、感謝し

 ています。大合奏の豪華さには及びませんが、三重奏の室内楽としてはそれなりの緊迫感も

 あり、自分としてはとても満足しています。この種の邦楽演奏会において、8分の9拍子と

 いうリズムで演奏される曲もレアなので、短いながらも、聴衆の方々には新鮮に聴いていた

 だけた事と思っています。狩谷先生、ほんとに有難うございました。

 

 

 

 

 

 

 


 

[1807] 新しい出版楽譜(13)

  • 2018.03.17 Saturday
  • 18:07

❖ 1年半後となった後巻の出版      

・2016年の秋に出版した「千秋次郎歌曲集1」

 に引き続いて、後続の第2巻

 

・「千秋次郎歌曲集2」(全音楽譜出版社刊)

                           (120ページ / ¥2,900+税)

 が先月中旬に刊行され、作曲者の自選による

 全32曲の歌曲を2巻に配した歌曲集が、ここ

 に漸く完成しました。僕のようなローカルで、

 無名にひとしい者の作品を発刊してくださった

 (株)全音楽譜出版社のご厚意に、今はただただ

 心から感謝しています。

 

・この第2巻に収録されている曲目は、項を改め

 下方の広い紙面でお伝えしますが、これまで所

 属していた日本歌曲「波の会」で発表・初演し、

 全音楽譜出版社「波の会・日本歌曲集シリーズ」

 (色んな名称で発刊されています)に分散収録さ

 れた僕の作品を、取り出して一括掲載したのが

 この第2巻の大部分を占めています。前巻と同

 数の16作品、それらを出版譜の曲順ではなく、

 作曲年の古い方から順に、曲名/作詩者名/作曲年のセットで配列すると:

  (1) 海を待つ/宮中雲子          1988

    (2) 谷底の松のこと/河野 律         1989

    (3) 虹/狩野敏也             1989

    (4) 愛と風/御木白日               1990

    (5) まんだらげの花/矢柴うた子      1991

    (6) ゆうなみ/小川淳子            1991

    (7) 花あかり/相馬梅子          1992

    (8) 手のひらの地図/宮田滋子       1993

    (9) 雪と椿/小川淳子           1995

    (10) 言葉は鳥/笠原三津子         1998

    (11) 桐壺/友永淳子            1999

    (12) 霧のうた/西岡光秋          2007

    (13) 冬へのオード/貞松瑩子        2007

    (14) 河/香山雅代             2007

    (15) 花水木の手紙/吉田義昭        2016

    (16) 夏の終り/杉本秀太郎         2017

 

・第1巻と第2巻で互いに補填しあって、ほぼ毎年のように歌曲作品を書いていたことが判るの

 ですが、それでも2000年から2005年にかけては、声楽作品ばかりでなく他のジャンルの制作

 にあっても作品数が減少していて、やはり自分にも制作の波があったことに気付きます。

 

・上記16作品の中で、今回初めて譜面として公開されるのは (2)(4)(14)(15)(16)の5作品です。

 残りの11曲は、前記のように、すでに刊行されている出版譜に収められていますが、演奏に際

 してのヒントになるかも知れない作曲者の率直なコメントが付記されているのは、これらが最初

 でしょう。なお、この楽譜はすでに発売され、全音楽譜出版社の広報にも宣伝されています。

[1806] 2月の演奏会(1)

  • 2018.01.27 Saturday
  • 12:37

❖ FM放送での作品演奏                                 ・この放送は終了しました

・2月7日 am 11:20〜11:50

・2月8日 am 05:20〜05:50 (再放送)

・NHK FM(大阪)  「邦楽のひととき」

 

・僕にとってこういう体験は、もう10年以上も

 以前に、自分のテューバ作品が放送された時

 以来の出来事なので、専用の分類タグもなく

 仮に「演奏会予定」として紹介させていただ

 きますが、思いがけない機会を得ました。

 

・すでに演奏会が終了しましたが、昨年12月の

 第29回「関西邦楽作曲家協会作品発表会」で

 皆様に聴いていただいた僕の曲が、当日来場

 されていたNHKの邦楽担当者の方の関心を呼

 んだらしく、来月のFM番組「邦楽のひととき」

 で紹介されることになりました。

 

・ひらのりょうこの朗読詩による「おゆき」

                   (2000)

 

・そのような訳で、今年に入っての15日に、演奏者の梶寿美子さんがNHKのスタジオに収録に

 行ったり、数度にわたる過去の再演資料を提供したり、やや慌ただしく過ごしました。しかし

 障害者の梶さんにとっても、良い体験になったことと喜んでいます。また、この作品の背後に

 流れている「反戦平和」という、詩人・ひらのさんの重いテーマが、放送という媒体を介して、

 果たしてどのように伝わるか、この「箏の弾き語り」に作曲者も期待しています。

 

・外部の音が漏れたり、音響には不満が残る朝日生命ホールでなら、何となく良いように聞こえ

 ても、正規の設備によってスタジオ録音されたものは、果たしてどのように聞こえてくるのか、

 実のところ不安でもあったのですが、当日ラジカセから流れてきた「おゆき」は、作曲者の耳

 にも心地よく、前日までの心配を払拭してくれました。箏の梶さんにとっても、スタジオ録音

 は初体験だったかも知れないのですが、能くプレッシャーに耐え、伸びやかな演奏を聴かせて

 くれました。すっかり彼女の心の中に同化しているという印象です。箏の手に、2箇所ほどヌ

 ケがありましたが、そんな事が気にならないほど、音楽が自然に流れてよかったと思います。

 作曲者として特に感じたのは、この曲に何度か現れる上行または下降のグリッサンド‥‥‥

 彼女の演奏では、語りの場面場面でグリッサンドの表情が異なっていて、安易に無表情に乱用

 されがちなこの手法を、彼女は見事に音楽の内容に結びつけて演奏していました。終わりの方

 の冬の夜のシーンでは、まるでハープのような丸いサウンドで、外は寒く部屋の中はほの暖か

 い懐かしい空気が、表出されていました。これはまさに、彼女の手柄テガラです。ほんとに、

 お疲れ様でした!なお、今回のことに関して大変お世話になったNHKのスタッフの方々にも

 心からの感謝を伝えたいと思います。有難うございました。

 

[1805] 3月の演奏会(1)

  • 2018.01.23 Tuesday
  • 23:08

❖ 2年ぶり3度目の郷土オペラ公演            ・この演奏会は終了しました

・3月4日(日)午後2時開演

・かつらぎ総合文化会館 大ホール

       (和歌山県かつらぎ町・丁ノ町)

 

・今回3度目の公演のために、主催者からの要

 請を受け、2曲の追加分アリアを作曲した事

 を、すでに昨年夏のブログでお伝えしました

 が、いよいよ公演日が近くなって来ました。

 

・第3回 紀州かつらぎ ふるさとオペラ

                  「横笛の詩」(2012)

 

・「平家物語」には歴史に翻弄された人々の悲し

 いエピソードが多く語られていますが、身分と

 いう格差の壁にはばまれて互いの愛を成就でき

 なかった男女の人生を描いているのが、この、

 斎藤時頼(滝口入道)と横笛の悲恋物語です。

 

・恋人と別れた斎藤時頼が僧侶となって修行した

 高野山の麓の、ここ、かつらぎ町天野アマノの

 里には、同じく尼となった横笛の墓址をはじめ、数々の伝承が伝えられていて、地元の文芸家

 で、初演以来ずっと企画・脚本・演出を担当しておられる防野宗和氏が、仕掛け人となって、

 5年前に市民参加型のこのオペラを初演して以来、隔年に一度の割合で、再演が行われていま

 す。そして再演の都度、防野氏の新しい演出が追加され、2015年の第2回公演では、高野山

 の(現役の)若手僧侶の皆さんによる供養法要が開幕と終幕の時点で加わり、今回はさらに、

 絶望に打ちのめされた横笛の妄執の邪念が、やがて悟りへの道に導かれて行くという過程を、

 能面をつけた所作事で表現するという演出に変わったとの事です。

 

・今回も、郷土の皆さんの熱心な協力のもと、大盛会となって成功するよう、作曲者としての

 自分も、心から祈っています。

 

・まさに天も味方してか、快晴の青空、爽やかな気温、この春はじめての美日となりました。

 いつもながら大勢の地域の皆さんが幾重にも列ばれて、開場時刻を待っておられました。開

 演の頃には、約1000名余の座席がほとんど埋まり、かつらぎ町長のご挨拶のあと、客席灯

 が落ちて、高野山からの僧侶の方による声明(読経)を先導に、まるで神聖劇のような趣き

 の中でのオペラ開幕となりました。

 

・すでに書き記したように、今回の第3回公演に際しては、これまでの演出に加えて、後半の

 妄念から浄心にいたる横笛の心理状況を、前半は般若、後半は小面コオモテの能面をつけた

 役者が横笛に立ち添って、所作舞を行うという、これまで見た事のない不思議な夢幻空間を

 演出されました。しかも、それが前後につながる僕の音楽と、決して木に竹をつないだ感じ

 にならず、自然な成り行きで、横笛のアリア「嵯峨の奥里」に移って行ったのは「離れわざ」

 に近く、ただただ防野宗和氏の創意に敬服しました。やや湿りがちになる第2幕で、この

 シーンは大きな見せ場になったと思います。

 

・昨年8月頃から追加アリアの作曲に関わっていた今回の公演、おかげさまで大声援の中で

 無事に幕を降ろしました。公的援助なしには実現不可能な企画なので、毎年という訳には

 行かなでしょうが、次第に地域に定着しつつあり、嬉しい手応えを感じました。観客の皆

 様をはじめとして、関わりのあった全ての方々、公的機関に感謝の意を捧げます。

[1804] 1月の演奏会(4)

  • 2018.01.15 Monday
  • 21:35

❖ 郷里の福井市でも再演の思いがけぬ報せ  ・この演奏会は終了しました

・1月19日(金)午後7時開演

・福井新聞社 風の森ホール (大和田2丁目)

 

・昨年最後のお報せとなった東京での演奏会と同

 様、これも昨年の年末になって判ったのですが、

 僕の生れ故郷である福井市でも、クラリネット

 と箏による旧作が演奏される予定です。

 

・クラリネットと箏のための組曲

             「巷歌拾遺」(1994)

 

・演奏者は福井市で活動を続けておられる著名な

 お二人で、クラリネットの中曽根有希さんには、

 すでに3年前に、フルートと箏のために書いた

 「空いろの初夏」(2015) を、クラリネット・

 バージョンとして初演してもらっています。

 

・福井新聞社が主催する隣接の演奏会ホールでの、

 「ちょっと素敵な音楽会」の1月例会で、上記

 の作品を採り上げて演奏してくださいます。

 

・この曲は4つの楽章のうち、第3楽章で不思議な調弦による箏を要求するので、どうしても

 箏を2面要求するのですが、昨年の東京では準備の都合で、やむなく第3楽章をカットして

 演奏しました。今回は、特殊箏も用意してくださって、全楽章を演奏されるとのこと、期待

 するところ大です。そしてこれを機会に、久しく音信の絶えている福井市の音楽家の皆さん

 とも交流を増やしたいと願っています。当日は猛吹雪などにならずに、最終サンダーバード

 で帰阪できるよう、今から平穏な天候を期待しています。

 

・天候はまさに幸いしました。数日前に降った大雪が、空き地のあちこちに積み上がっている

 ものの、当日は薄陽のする晴で、風も弱く、福井新聞社本社に隣接する「風の森ホール」へ

 開場前に伺う事ができました。定員300席の小ホールながら何ともアットホームで心地よく、

 お目にかかるのは今回が初対面の、演奏者の皆さんや、新聞社のスタッフの方に挨拶し、す

 でに予約満席となったホールで、僕も福井の市内に住む従妹と一緒に開演を待ちました。

 

・演奏会は予期した通り、とてもムードのある親しみやすいプログラムでした。中曽根さんの

 お宅に代々伝わる婚礼のときの豪華な打ち掛けを、演奏者お二人とも身にまとい、いかにも

 正月公演にふさわしい「春の海」からステージが始まりました。もっとも、ここでは、箏と

 尺八ではなく、箏とクラリネットというバージョン、そして2番目の演目が組曲「巷歌拾遺」

 の全4曲を、中曽根さんのトーク解説を前置きにして、見事に演奏してくださいました。リ

 ズム感の良いお二人なので、早い楽章も難なく突破され、印象に残る幕切れでした。

 

・すでに座席をリザーブした特急サンダバに乗るために、従妹の車で駅まで送ってもらったの

 で、後半の演目は聴けずに会場を後にしましたが、一昨年11月のハーモニーホールふくい

 での奏会から約1年ぶりの故郷での公演‥‥‥僕にとっても良い思い出となりました。演

 奏者や新聞社の皆さんとは、いずれ期日を改め、ゆっくりお目にかかりたいと思っています。

 

 

 

 

 

 


 

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