[2404] 3月の演奏会(2)

  • 2024.02.19 Monday
  • 07:08

❖ コンクール受賞者いずみホールでの披露演奏会

・3月23日(土)10:30開演(終演21:00予定)

・住友生命いずみホール(大阪城公園,城見1丁目)

 

・昨年6月にも自分のリサイタルを今福音楽堂で

 開催たユーフォニアム奏者・小野康行氏が、

 昨年度の「あおによし音楽コンクール奈良」の

 一般部門・金管楽器において第2位を受賞され

 ました。たゆみない研鑽の成果です。そして、

 各部門での多くの受賞者の一人として、この度

 大阪では素敵な、あのいずみホールで受賞記念

 の披露演奏会に出演の予定です。総数60余名に

 及ぶ受賞者の出演なので、演奏時間は限られて

 いますが、この日のために彼が用意した曲目は

 僕の旧作;

・ユーフォニアムとピアノのための幻想曲

 「うるわしきもの流れゆくなり」(1990)

 です。八木重吉の短い詩稿によるソナタ形式の

 作品、これまで幾度も小野氏が採上げて公演し、

 今では完全に、彼の心そのものになっています。

 彼が舞台に立つ本番の時刻は17:20の予定とか、

 その頃を見計らって、僕も聴衆の一人として演奏を聴きに行くつもりです、ご成功を祈りつつ。
 

[2403] 3月の演奏会(1)

  • 2024.02.02 Friday
  • 13:39

❖ 作曲者も愛着の二重唱作品を西北芸文で

・3月6日(水) 午後7時開演    

・兵庫県立芸術文化センター・

      神戸女学院小ホール(阪急西宮北口)

 

・われわれ日本歌曲関西波の会の顧問となって

 頂いている青山恵子さんは「日本歌曲の実践

 的研究〜伝統音楽との接点」というテーマで

 声楽の分野では日本初の博士号を取得された

 貴重なメゾ・ソプラノ歌手です。このたび、

 ソプラノの三縄みどりさんとのジョイントの

 形で、神戸と(秋の)松山で演奏会を開催され

 る運びとなりました。ピアノは秦はるひさん、

 年来の、心許せる東京藝大のお仲間と、お見

 受けします。

 

・「今、燦キラめいて」と表題され、前後2部か

 ら成る公演、全体の構成や選曲にも出演者の

 こだわりが感じられ、ありきたりの日本歌曲

 を並べたような舞台とは異なって、聴き易く

 しかも清新な日本歌曲が揃えられている感じ‥‥‥とても興味をそそられる構成内容です。

 

・前置きが長くなりましたが、このジョイント演奏会の中で、僕の旧作の女声二重唱曲が採上

 げられることになり、青山さんから過日ご連絡をいただきました。

・二重唱「花あかり」(1992)(詩・相馬梅子)  春の到来を告げるこぶし(辛夷)の花を幻想的に

 歌った内容で、作曲当初はかなり多くの友人が歌ってくれましたが、その後に作曲した「月

 に寄せる子守歌」(2004)(詩・貞松瑩子)が出版されたのを機に、「花あかり」は忘れられた

 ように30年もの歳月が経ちました。5分に達しない小品ながら、声とピアノが三つ巴になって

 頂点に到達する部分や、2声が「語り」で対話する部分など、歌手にチャレンジして頂く要素

 もある作品ですが、僕自身はこの曲を密かに大切にしていて、2018年に出版した「千秋次郎

 歌曲集2」には、忘れずこの作品を、曲集に収録しています。 今回の公演において、記念すべ

 き演奏記録が残されることを、心から期待しています。

[2402] 新しい楽譜出版 (17) ソプラノと筝のための「馬酔木」(2006)

  • 2024.01.10 Wednesday
  • 12:26

❖ 亡き大津皇子に寄せる姉皇女の鎮魂歌

・前トピックに続き、もう1冊の新刊楽譜‥‥

 

・(2) ソプラノと筝のための「馬酔木」(2006)

             (Ashibi Flowers) (詩・佐久間郁子)

 

天武天皇第3子・大津皇子オオツノミコは人望の

 高い皇子でしたが幼時に母を亡くし、血族は

 伊勢神宮に仕える姉の大来皇女オオクノヒメミコ

  だけでした。父の死後、皇位継承の陰謀に巻

   き込まれ、密告によって謀反人とされ、僅か

 24歳で妻と共にみずからの命を断ちました。

 西暦686年の出来事です。雄岳と雌岳が大和

 の国境に並び立つ美しい二上山別名フタカミヤマ

 山頂に彼の墓所があり、参詣者が絶えません。

 

・3首の短歌を中核とする佐久間郁子さんの清冽

 な詩文は、自分の命運を知った彼が密かに大和

 から、伊勢にいる姉に最後の別れを告げに行った

 という伝承をもとにして構成された鎮魂の哀歌、孤独な血族の情愛が胸を打つ、現代筝歌の起伏

 を、早春の頃に白い小花が下を向いて夢のように咲くアシビに寄せて、Sop・丸山夏季さん、

 筝・彩里京鼓さんによる息の合った演奏で、CDに収録しています。→マザーアース株式会社

 

・「大津皇子を偲んで」(Lamento in memory of the Prince 0tsunomiko) という副題を添え

 て、2006年に日本歌曲振興波の会の特別展に発表した作品でしたが、再演の機会に恵まれず

 今日に至りました。前詞を伴う3首の短歌と、中間にはやや長い筝独奏(いわゆる手事)を

 挟む典型的な筝曲の様式で書かれており、筝も多弦ではなく、手慣れた本来の13絃筝です。

[2401] 新しい出版楽譜 (16) 筝とピアノのための「六段唱和」(1985/2022)

  • 2024.01.08 Monday
  • 08:05

❖ 元禄時代の作曲者・八橋検校トリビュート

・昨年の秋にマザーアース社から出版された僕の

 楽譜は、参考音源CDを添付した新刊2種に加

 えて、既刊の楽譜に新たに参考音源CDを追補

 した増補版が2種、以上4種類の楽譜がすでに

 発売となっています。ご案内が遅れましたが、

 逐次ご紹介しようと思います。まずは、新刊の

 2種について‥‥

 

・(1) 筝とピアノのための「六段唱和」(2022)

                                           (Six Steps Duo)

 邦人作曲家による筝独奏のための(歌を伴わない)

 器楽曲の嚆矢とされている「六段の調べ」は、

 元禄時代に八橋検校によって作曲された、邦楽

 の歴史における聖なる古典、とも呼ぶべき名作

 です。そしてこの曲に対して、もうひとり別の

 演奏者が別の筝で合奏を試みる、替え手という

 「雲井六段」のような取組みも、古来より行わ

 れ、この曲の魅力を高めています。

 

・「八橋検校に寄せて(A Tribute to Yatsuhashi-

   Kengyo) 」という副題のついた、この譜面「六段唱和」は同様の発想をもとに、八橋検校の

 原曲はそのままに、これにピアノが加わって和洋合体のセッションを試みるというスリリング

 な内容の音楽です。もともとは筝とハープのための二重奏曲として1985年に作曲したもので、

 初演後も幾度か再演されていますが、最近になってハープのパートを軽めのタッチのピアノで

 演奏してみたところ、これはこれで、ややクールな情感がとても面白く、今回の刊行に際して

 部分的にピアノの語法に書き改めて、提供させていただく事にしました。ハープに似せる必要

 はなく、筝の響きに呼応し合える豊かなピアノの表情を、ピアニストに期待しています。

 

・楽譜に添付されている参考音源CDは、筝・彩里京鼓さん、pf・飛澤直子さんの絶妙な重奏が

 素敵です。ピアノが重くなく、しかも的確な表情で歌っています。→マザーアース株式会社

 

・なお、混乱を恐れずに言えば、マザーアース社からは、これとタイトルの類似した

   フルート、オーボエ、筝のための「新唱六段」(2006)(Six Steps Collaboration)

   という別種の楽譜も刊行されています。「六段唱和」の21年後に別の委嘱のもとに作曲した

 管楽器とのトリオなので、全く別種の「より線的な音楽」を展開します。この曲については、

 公開中のユーチューブ画像の事と合わせて、昨年のトピック[2308] でご紹介しているので、

 別途ご参照ください。フルート、バイオリン、筝によるトリオでの演奏ですが、面白いです。



 

[2400] 輻輳せる渾沌の雲、碧空いつの日にか!

  • 2024.01.08 Monday
  • 04:43

❖ 幾重にも寄せ来る内憂外患、その現実を心に留めて

 

 謹賀新年  コロナ災禍が一段落し、以前の日常が戻ってくる筈でしたが、平穏無事とは

とても言えない厳しい国際状況や、新年早々の能登大津波・大地震・被災者の方々の救出と

援護にいとまなく、日常が振り回される中で、ともかくも6年目の令和がスタートしました。

 

 僕自身については、昨年秋11月下旬まさに 89歳を越えたその頃、北大路欣也主演による

時代劇ドラマ「三屋清左衛門残日録」なるシリーズの有るを識り、初回から最新7回までを

CATV436にて通看、いささか感銘するところ多大でした。すでにご存知の事と思いますが、

昨年6月に、これまで務めさせて頂いていた「日本歌曲 関西波の会」会長の座を、力倆ある

テノール・河田早記氏に引き継いでもらう事となり、今は相談役、すなわち隠居の身となり

新年を迎えています。ドラマの中で、清左衛門がみずからの日記の冒頭に書き記している

「日残リテ 昏ルルニ未ダ遠シ」という標語‥‥僕自身の現在の気持ちを、ひたと言当てて

余すところ無しです。‥‥とうてい技倆・風格ともに及びもつきませんが、当年もまた細々

ながらも、思いを澄ませ歩を進める所存です。何とぞご支援よろしく!     千秋次郎

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