❖ 作曲者も愛着の二重唱作品を西北芸文で ・この演奏会は終了しました
・3月6日(水) 午後7時開演
・兵庫県立芸術文化センター・
神戸女学院小ホール(阪急西宮北口)
・われわれ日本歌曲関西波の会の顧問となって
頂いている青山恵子さんは「日本歌曲の実践
的研究〜伝統音楽との接点」というテーマで
声楽の分野では日本初の博士号を取得された
貴重なメゾ・ソプラノ歌手です。このたび、
ソプラノの三縄みどりさんとのジョイントの
形で、神戸と(秋の)松山で演奏会を開催され
る運びとなりました。ピアノは秦はるひさん、
年来の、心許せる東京藝大のお仲間と、お見
受けします。
・「今、燦キラめいて」と表題され、前後2部か
ら成る公演、全体の構成や選曲にも出演者の
こだわりが感じられ、ありきたりの日本歌曲
を並べたような舞台とは異なって、聴き易く
しかも清新な日本歌曲が揃えられている感じ‥‥‥とても興味をそそられる構成内容です。
・前置きが長くなりましたが、このジョイント演奏会の中で、僕の旧作の女声二重唱曲が採上
げられることになり、青山さんから過日ご連絡をいただきました。今す
・二重唱「花あかり」(1992)(詩・相馬梅子) 春の到来を告げるこぶし(辛夷)の花を幻想的に
歌った内容で、作曲当初はかなり多くの友人が歌ってくれましたが、その後に作曲した「月
に寄せる子守歌」(2004)(詩・貞松瑩子)が出版されたのを機に、「花あかり」は忘れられた
ように30年もの歳月が経ちました。5分に達しない小品ながら、声とピアノが三つ巴になって
頂点に到達する部分や、2声が「語り」で対話する部分など、歌手にチャレンジして頂く要素
もある作品ですが、僕自身はこの曲を密かに大切にしていて、2018年に出版した「千秋次郎
歌曲集2」には、忘れずこの作品を、曲集に収録しています。 今回の公演において、記念すべ
き演奏記録が残されることを、心から期待しています。
・響きが良くアットホームな小ホールにおいて、舞台実績ゆたかな三人の皆様が、それぞれの想
いで選曲された曲目を、こちらも心ゆくまで堪能させていただき、内容の濃い演奏会でした。
春まだき寒い一夜でしたが、心は満ち足りて西宮からの帰途につき、やや遅く帰宅しました。
今回のステージに採上げていただいた「花あかり」の二重唱、お三人にとっては初演だったと
の事ですが、緩急自在、息のあった見事な構築を聴かせていただき、提供作曲者として心から
感謝しています。お疲れ様でした!‥‥秋の11月には青山さんの郷里で、同じプログラムでの
公演が予定されています。再度のご盛会・ご成功を祈っています。