❖ 自分にとっては会長職での最終イベント ・この演奏会は終了しました
・6月24日(土)午後2時開演
・ザ・フェニックスホール(大阪梅田新道)
・昨年度の京都公演に続き、さらに会場規制が
緩和された中での(全て自由席、など)定演
開催の運びに至りました。ご案内が遅くなっ
てしまいましたが、今週の土曜いつもの梅新
のフェニックスです。皆様のご支援のもとで、
会員数が増加し、一晩で全員の演奏を聴いて
いただく事が困難となりました。そのために
公演スタイルを見直す意味で、この冬12/02
(金)尼崎ピッコロシアターで、もう一回、第
2の演奏会を開催することになり、出演者を
分散、今回は会員8名による公演を行うこと
になりました。このような試行錯誤の試みを
向こう2年間に実行して、お客様のご意見も
伺いつつ、妥当な方策を見つける予定です。
・なお、一身上の懸案について、以前にも触れ
たように、やむを得ない事情で会長職に長く
居続けてしまいましたが、これを機に会長職を退く事が、過日の年次総会で承認され、後
続を新会長・河田早紀氏に委ねる事となりました。長期にわたるご支援、まことに有難う
ございました!心より感謝申し上げます。
・前置きが長くなりましたが、今回、会員メンバーによって歌われる自分の作品は4件……
独唱2曲、二重唱1曲、それに女声お祭り歌?(譜面上はソプラノ4重唱)が1曲です。
(1) 二重唱「月に寄せる子守歌」(詩・貞松瑩子)(2004)……これまでも何度か再演され
ている、素朴な3節構成のララバイ。「おやすみ、おやすみ……」と互いに歌い交わす
安息のリフレインが印象的です。
(2) 「谷底の松のこと」(詩・河野 律)(1889)……30数年前、関西音楽舞踊会議という
グループに参加していた頃の作品。唐時代の詩人・白居易(白楽天)の詩をもとに、
大胆にリライトされたバラード詩篇。元々は男声バリトンのために書かれた歌曲でした
が、今回、仲間のソプラノ・小山 操さんに歌ってもらうために、音域を変え、部分的に
リメイク、7分弱に抑えました。中国音楽に特有のモチーフが、全曲を統一しています。
(3) 「ふるさとの」(短歌・石川啄木)(1955)……前回の京都公演でお聴き頂いた島崎藤村
の「初恋」と同じ年に作曲した習作に近い内容ですが、メロディの歌い癖やピアノでの
サウンドの好み、などに現在の自分を感じます。啄木の歌集「一握の砂」の中の「ふる
さとの訛りなつかし」と「ふるさとの山に向かひて」を前後に選び、中間に「やはらか
に柳あをめる」の北上川の情景を挟み「啄木三首」として構成ました。
(4) ソプラノ四重唱「キャッキェローニ(chiacchieroni)の歌」(詩・細江和夫)(1993)……
今は亡き楽友・声楽家の M I氏には、発声法の特別レッスンを受ける門下生が数多く集
まっていたのですが、その彼からの提案?要請?を受けて、4人のソプラノが同時に愉
しめるような(発声練習を兼ねて)曲を、試みに作って提供したのが、この小品です。
chacchieroni とは、イタリア語 chacchieroneの複数形で、本来の意味は「おしゃべり
屋さん」「噂好きな人」の意味ですが、ここでは敢えて「歌う仲間」としています。
日本語の歌詞ですが、途中に必須のイタリア歌曲が現れては消えます。いささか不謹慎な
「まぎれ込み」が、この曲の取り柄でしょう。今回は4人どころか7名が蝟集(寄って
たかって)、楽しく舞台のトリを盛り上げます。
天候不順の中ですが、多くのご来聴を心待ちにしています。
・これに先立つ数日間の空模様がナーバスで、ちょうど雨とぶつかるか、と覚悟したのですが、
幸いにも雨にはならず雲の多い晴天、その分だけ気温も上がらず、外出には却って好都合だっ
たかも知れません。有難いことに、予定していた席は埋め尽くされ、無事予定時刻に終演を
迎えました。上演に際しての制約が、今年はかなり緩和されたので、歌い手たちも伸び伸びと
声を届けることができ、こうして徐々に、旧に復しての演奏会を進めて行けそうです。ご来聴
の皆様に感謝申し上げます。
・微力ながら会長として努めてきた幾年かの最後の催物、向後は有能な後輩・河田早紀氏の手腕
に委ねたいと思っています。もっとも、今後も折に触れて自分の作品が採り上げられるて機会
はあることと思います。
・今回ステージに乗せてもらった上記の、形態も雰囲気も異なる4種の歌曲、それぞれの歌手の
皆さんが、心を込めて歌って下さいました。歌唱の中での無声音の扱いや、セリフ語りの扱い
など、さらに研鑽を積んでほしい点はありましたが、仲間の歌手の皆さんとも、長いお付合い
だったナ、としみじみ追想しています。自分にとって、いわば「お名残狂言」のような心で臨
んだ公演でしたが、上記のように、折に触れて、また新曲・旧曲取り混ぜて、今後もお聴き頂く
事になりそうです。変わらぬご支援のほど、宜しくお願い申し上げます。