[1718] 新しい作品の完成 (21)

  • 2017.08.27 Sunday
  • 03:38

❖ 旧素材を使っての新作          

これまでにも紹介した事がありますが、旧知の

 オーボエ奏者・呉山平煥氏が、また来年早々に

 箏の福原左和子さんとのリサイタルを企画して

 おられる由、しばらく僕もご無沙汰だったので、

 何か新作を提供したくなりました。ただ、今年

 に入ってから作曲の予定が多く重なってしまい、

 あれこれ勘案した結果、数年前にフルートと箏

 のために書いた作品の素材を使って、新しいコ

 ンセプトのもとに、別の作品に仕上げることに

 思いいたりました。

 

・もう20年も以前になりますが、1997年に僕は

 「葉がくれの花」というオーボエと箏のための

 曲を書いていて、お二人によってこれまで幾度

 となく再演されているのですが、鎌倉期の皇族

 式子内親王の和歌「残りゆく有明の月の洩る影

 に ほのぼの落つる葉隠れの花」という繊細な

 新古今スタイルの和歌に想を得て、創った曲で

 す。今回の作品も、同じく式子内親王の和歌に

 想を得ていますが、それは「ほととぎす その

 かみ山の旅枕ほの語らひし空ぞ忘れぬ」という、清冽で爽やかな季節感に溢れた和歌からの

 イメージをもとに、先月になりますが7月17日に約1ヶ月をかけて完成しました。

 

・オーボエと箏のための 「旅はるか空いろの夢」(2017)

 

・斎王代として伊勢に下り、生涯を伊勢神宮の神々に仕えた彼女が、おそらく一生に一度きり

 となった旅行、まさに一期一会の青空の姿だったことでしょう。爽やかな音の動きの中に、

 「色即是空 空即是色」の裏命題に想いを馳せて、演奏してほしいと願っています。
 

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