[1805] 3月の演奏会(1)

  • 2018.01.23 Tuesday
  • 23:08

❖ 2年ぶり3度目の郷土オペラ公演            ・この演奏会は終了しました

・3月4日(日)午後2時開演

・かつらぎ総合文化会館 大ホール

       (和歌山県かつらぎ町・丁ノ町)

 

・今回3度目の公演のために、主催者からの要

 請を受け、2曲の追加分アリアを作曲した事

 を、すでに昨年夏のブログでお伝えしました

 が、いよいよ公演日が近くなって来ました。

 

・第3回 紀州かつらぎ ふるさとオペラ

                  「横笛の詩」(2012)

 

・「平家物語」には歴史に翻弄された人々の悲し

 いエピソードが多く語られていますが、身分と

 いう格差の壁にはばまれて互いの愛を成就でき

 なかった男女の人生を描いているのが、この、

 斎藤時頼(滝口入道)と横笛の悲恋物語です。

 

・恋人と別れた斎藤時頼が僧侶となって修行した

 高野山の麓の、ここ、かつらぎ町天野アマノの

 里には、同じく尼となった横笛の墓址をはじめ、数々の伝承が伝えられていて、地元の文芸家

 で、初演以来ずっと企画・脚本・演出を担当しておられる防野宗和氏が、仕掛け人となって、

 5年前に市民参加型のこのオペラを初演して以来、隔年に一度の割合で、再演が行われていま

 す。そして再演の都度、防野氏の新しい演出が追加され、2015年の第2回公演では、高野山

 の(現役の)若手僧侶の皆さんによる供養法要が開幕と終幕の時点で加わり、今回はさらに、

 絶望に打ちのめされた横笛の妄執の邪念が、やがて悟りへの道に導かれて行くという過程を、

 能面をつけた所作事で表現するという演出に変わったとの事です。

 

・今回も、郷土の皆さんの熱心な協力のもと、大盛会となって成功するよう、作曲者としての

 自分も、心から祈っています。

 

・まさに天も味方してか、快晴の青空、爽やかな気温、この春はじめての美日となりました。

 いつもながら大勢の地域の皆さんが幾重にも列ばれて、開場時刻を待っておられました。開

 演の頃には、約1000名余の座席がほとんど埋まり、かつらぎ町長のご挨拶のあと、客席灯

 が落ちて、高野山からの僧侶の方による声明(読経)を先導に、まるで神聖劇のような趣き

 の中でのオペラ開幕となりました。

 

・すでに書き記したように、今回の第3回公演に際しては、これまでの演出に加えて、後半の

 妄念から浄心にいたる横笛の心理状況を、前半は般若、後半は小面コオモテの能面をつけた

 役者が横笛に立ち添って、所作舞を行うという、これまで見た事のない不思議な夢幻空間を

 演出されました。しかも、それが前後につながる僕の音楽と、決して木に竹をつないだ感じ

 にならず、自然な成り行きで、横笛のアリア「嵯峨の奥里」に移って行ったのは「離れわざ」

 に近く、ただただ防野宗和氏の創意に敬服しました。やや湿りがちになる第2幕で、この

 シーンは大きな見せ場になったと思います。

 

・昨年8月頃から追加アリアの作曲に関わっていた今回の公演、おかげさまで大声援の中で

 無事に幕を降ろしました。公的援助なしには実現不可能な企画なので、毎年という訳には

 行かなでしょうが、次第に地域に定着しつつあり、嬉しい手応えを感じました。観客の皆

 様をはじめとして、関わりのあった全ての方々、公的機関に感謝の意を捧げます。

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