[1511] 新しい作品の完成

  • 2015.02.19 Thursday
  • 23:15
  ❖ 牧水の名歌を、弾き唄いの箏歌として
・松本市在住の二十五絃箏奏者・田中静子さんに
 昨年も僕の作品を演奏していただきましたが、
 そのことは
トピック[011] でご紹介しています。
 
・昨年の曲は、もともと通常の箏とヴァイオリン
 のための二重奏だったものを、二十五絃用にリ
 ライトした
「風の里歌」(1995/2014) でした
 が、今回は新曲、二十五絃での弾き唄いによる
 箏歌を作ってほしい、との委嘱でした。

・彼女と相談のうえ、信州にもゆかりのある若山
 牧水の、青春の光と影に満ちあふれた第一歌集
 「海の声](1908)から5首の短歌を選び、約11
 分余の作品に構成しました。

 
・25絃のための箏歌「牧水海声譜」(2015)
          Bokusui-Kaiseifu  (Voice of the Sea)


・牧水の名歌の数々の中から数首だけを選ぶのは、
  至難の技でしたが、次のような5首の短歌を、
季節の流れに沿って歌うことにしました。

         1.  海の声そらにまよへり  春の日のその声のなかに白鳥の浮く
         2.  なつかしき春の山かな  山すそをわれは旅びと君をおもひ行く
         3.  海の声山の声みな  碧瑠璃のそらに沈みて秋照る日なり
         4.  幾山河越えさり行かば  寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく
         5.  雲ふたつ合はむとしてはまた遠く  れて消えぬ春の青ぞら


・季節が春から秋に移り、そして再び春になったところで音楽は終わりますが、牧水の年譜にも
 あるように、この歌集が出版された頃は、初恋の女性との交際が必ずしも成就せず、最後には
 離別することになる、上記の5首は、そのような彼の心の葛藤のゆくえをも暗示しています。
 牧水の、いわば「青春との訣別」‥‥この箏歌の裏のテーマです。

・松本市での初演日程は未定ですが、たぶん昨年と同じ6月ころでしょうか。後日またご案内を。
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