[1550] 12月の演奏会 (3)

  • 2015.11.28 Saturday
  • 16:02
❖ 36年前の思い出の旧作を合唱祭で    ・この演奏会は終了しました
・12月6日(日)午前11時開演 
・豊中市立アクア文化ホール(阪急曽根)

・旧くからの知己である女声合唱団「グリーン
 コーラス」の皆さんが今年も出演され、僕が
 36年前この団のために作曲した合唱組曲の
 なかから2曲を再演して下さいます。


・女声合唱組曲「つつましい季節のいのちに」
        (作詩・まど・みちお)より
        第1曲  ヌカキビ  第6曲  ケヤキ

・この組曲は1979年に、上記の2曲にツユクサ
   の花を加えた3曲の組曲として作曲したのです
 が、1990年になって更に追加分3曲を加え、
 音楽之友社から出版しました。全6曲、どれも
 日ごろ目立たない場所でひっそりと咲いている
 草花や花木に心を寄せた、いかにもまど・みち
 お氏らしい詩情に溢れた、思い出深い組曲です。

・何しろ36年も昔に初演された作品ですから、当時の初演を歌って下さった団員の方は、現在
 30名足らずの団員の皆さんの中で、わずか数名だけだそうです。ほんとに歳月は人を俟たず、
 まど・みちお氏もすでに旅立たれました。故人への追悼の念をこめて、歌いあげてください。


・指揮者も伴奏ピアニストも若い世代へと受け継がれたなかでの、とても充実した好演でした。
 それぞれの団が演奏6分という時間制約のため、選曲にも苦労されているようでしたが、我々
 グリーンコーラスの場合も、作曲者の立場からは第1曲ヌカキビ、もうすこしゆったり目にと
 思ったのですが、そんな裏の事情があったようです。しかし、初めてこの曲を聴かれた方には
 これはこんな曲、と把握していただけた事と思います。将来のグリーンコーラス演奏会の際に
 は、抜粋でなく組曲の全6曲を演奏してもらえるとの事なので、そこでは時間制約を受けずに、
 伸び伸びと演奏が可能になる事と、今から期待しています。お疲れさまでした!

[1549] 12月の演奏会 (2)

  • 2015.11.21 Saturday
  • 00:46
❖ 「四季陽徳」と題しての個性的なコラボ   ・この演奏会は終了しました
・12月2日(水) 午後2時開演
・草津クレアホール (草津市野路)

・すでに昨年のトピック[030]で演奏者のことは
 紹介ずみですが、4名それぞれが一芸に秀でた
   演奏仲間による、個性豊かなコラボレーション
 が、今年も予定されています。今年はとくに、
 やはり古い仲間である草木染作家・飯森よしえ
 さんの工房二十周年を記念して、飯森さんの衣
 装や舞台美術がステージを飾り、「美しい四季
 折々の風景と音で描く古き神々の物語り」とい
 う副表題がどのように展開するか、楽しみです。

・メンバーのひとり岩谷富美子さんが作曲された
 音楽物語り「ヤマタノオロチ」が、今回の演目
 の後半を占める超目玉ですが、前半第1部には
 僕の旧作が1曲、再演されます。


・「海辺の秋」(源氏物語・須磨より)(1988)


・長大な源氏物語のなかで、失意落魄時代の光源氏を描いた須磨の巻は、ことに著名な個所で
 すが、その中の「須磨には、いとど心づくしの秋風に‥‥」で始まる詞章の原文そのものを
 歌い、それに箏の伴奏が加わる試みです。今から27年前にウィーンで初演されて以来、多く
 の演奏者の皆さんが採りあげてくださっていますが、今回もソプラノ・浅井順子さん、箏・
 麻植美弥子さんのコンビで、お二人にとっては2度目の演奏が行われます。


・新快速が停まるJR南草津駅から歩いて程よい距離にある草津クレアホールは、樹木に囲まれ、
 響きの良い演奏ホールでした。隣接する別の会場では、メンバー4人とも親しい草木染め作家
 飯森よしえさんの工房20周年記念展示会も開催されていて、これがまた素晴らしい作品展で、
 感銘しました。そして今日のステージでの演奏者の衣装は、すべて飯森さんの制作によるもの 
 との事、草木染め特有のナチュラルな薄色のローブが印象的でした。源氏物語の原文で歌われ
 る「海辺の秋」はこの時期とも呼応して、澄み通った浅井さんのソプラノが、華やかで寂しい
 秋の夜の情景を創り上げていました。古事記の伝承にもとづく第2部の音楽劇は、演奏者全員
 がイタに付いての1時間のステージ、このような企画を次回以降も、ぜひまたチャレンジして
 ほしいと思いながら、帰途につきました。

 

[1548] 11月の演奏会 (6)

  • 2015.11.14 Saturday
  • 06:51
❖ 奈良県大芸術祭参加の邦楽コンサート     ・この演奏会は終了しました
・11月24日(火) 午後2時開演
・秋篠音楽堂 (近鉄大和西大寺駅前)

・旧き楽友・吉岡紘子さんの企画で、今年の奈良
 大芸術祭への参加番組「大和に謳う現代邦楽の
 あゆみ/その1」と題した演奏会が予定されて
 います。近年に書かれた邦楽曲7作品が演奏さ
 れる予定ですが、その中に、先月にも演奏され
 た僕の作品が再演される事になっていて、とて
 も光栄です。


・尺八と箏合奏のための「夢の花橘」(2007)

・直近のところでは、先月12日に西宮で再演され
 好評を得ていますが、今回は5度目の再演とな
 ります。会場の秋篠音楽堂は関西では数少ない
 響きの優れたクラシック・ホールです。交通の
 アクセスも良いので、ご盛会を期待しています。



・音響の良いホールでの音楽は、洋楽であれ邦楽であれ、聴き手の心に率直に語りかけて来ま
 す。1955年から2007年までの7つの現代邦楽を取り揃え、どの舞台とも演奏の乱れなく、
 じつに手際よく、聴き手を飽きさせずに最後まで愉しませてもらったのは、やはり主宰者・
 吉岡紘子先生ならではの企画力と指導力‥‥あらためて感服しました。

・演奏レベルの高さに加え、当日僕が感心したのは、演目ごとに変る楽器のセッティングの変
 換を、じつに見事に秒単位の短い時間の中で、担当の楽器屋さんのスタッフ数名が一回のミ
 ス配置もなく、緞帳のないステージの上で整然と進めておられた事です。裏方のプロの実態
 を見せて頂き、別な意味で感銘しました。

・僕の「夢の花橘」は、演奏回数を重ねるたびに演奏者の皆さんの「手」と「心」のなかに収
 まってきたようで、尺八とも良く呼応しあって好演でした。イメージを想像しやすい文学的
 なタイトルを持ち、単一の楽章にまとまっていて、しかも8分前後のサイズの作品というの
 は、現代の我々の生活の周期に無理なく適合した音楽享受の「定格」の一つだろうと思って
 います。

・なお追加情報ですが、この
「夢の花橘」(2007) は5日後の11月29日(日)、八尾市文化会
   館/プリズムホール(小ホール)で開催された第49回東大阪三曲協会演奏会においても、
 尺八を5名の都之雨社の社中の皆様に替えて、同じ「ぐるーぷ・いぶき」の皆さんが吉岡
 さんのリードのもとで6回目の再演を果たして下さいました。
 

[1547] 11月の演奏会 (5)

  • 2015.11.14 Saturday
  • 06:18
❖ 別の合唱団による合唱祭での初演    ・この演奏会は終了しました    
・11月23日(月・祝) 9時45分開演
・茨木市市民会館ユーアイホール(大ホール)

トピック[1542]でお伝えした女声合唱小品が
 八尾市での初演から2日後に、今度は茨木市
 で、別の女声コーラスの皆さんによって演奏
 されます。両者の日時が近いので、記録には
 どちらも初演ということにさせて頂きます。


・「紅い椿」(2014)   (詩・池田もと子)
  
・歌って下さるのは「中津ドルチェコール」の
 皆さん、指揮は石井恭子さんです。練習会場
 で先日リハーサルを聴かせて頂きましたが、
 丁寧に指導が行きとどいて響きがとても綺麗
 でした。総数37団体もの合唱サークルが一堂
 に会しての合唱祭、あまり頑張り過ぎないで、
 伸び伸びと歌ってください。ご成功を祈ります!



・2日前の八尾プリズムホールでの初演に続いて、こちらは茨木ユーアイ大ホールでの合唱祭
 参加のもとでの初演だったのですが、総数26名の皆さんによって、とても印象に残る演奏と
 なりました。中津ドルチェコールの出番は6番目で、そこまでのステージでの伴奏ピアノが
 やや粗っぽい音色に聴こえていたのですが、藤井啓子さんのピアノは、とても綺麗に合唱を
 引き立ててバランスの上では申し分のないものでした。また取り合わせに指揮者が選ばれた
 曲が山田耕筰の「電話」‥‥南の国から電話です‥‥椿の花も咲きました‥‥と歌う歌詞の
 取り合わせが、僕の「紅い椿」とマッチして絶妙で、2曲が違和感なくつながり、素晴らし
 いステージとなりました。作品提供者として心から謝意を表します、有難うございました!

 

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< November 2015 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM