[1613] 6月の演奏会 (2)
- 2016.05.25 Wednesday
- 00:01
❖ 25絃箏による弾き歌いにチャレンジ ・この演奏会は終了しました
・6月17日(金)午後7時開演
・ザ・ハーモニーホール小ホール(松本市)
・田中静子さんは松本市在住の、音楽的センスに
溢れる25絃箏演奏家です。かなり以前から僕の
作品を熱心に採り上げてくださっていて、一昨
年はバイオリンとの二重奏、昨年はの25絃箏同士
二重奏、というように、洋楽器/邦楽器の別
を問わず、コラボする相手を毎回変えて多彩な
表現の世界を試みておられます。
・それで今年の演奏会は、チラシにあるように、
チェロとピアノの仲間の皆さんとのコラボとな
り、僕の作品も採り上げて下さっているのです
が、ただし今年の僕の曲は彼女からの要請で、
ソロで弾き歌いする25絃のための箏歌、いわば
箏音楽のルーツとも呼ぶべき形態の音楽です。
・若山牧水の短歌による25絃のための箏歌
「牧水海声譜」(ボクスイカイセイフ)(2015)
・作曲年が2015年とあるように、この曲は昨年2月に完成し、すでに僕のこのブログにおいて
トピック[1511]で作品の完成をお報せしていますが、田中さんの手で今日まで温められ、よ
うやく初演の日を迎える事になりました。作曲の経緯などに関しては、上記の旧トピックを
ご参照ください。あの緑深い公園のなかに佇むアットホームな演奏ホール、ふたたび今年も
松本の地を訪れる事が愉しみです。コンサートのご成功を祈っています。
・6月は蒸し暑い梅雨どきの季節、松本もけっして例外ではないのですが、それでも大阪や東京
では感じられない街中の空気の爽やかさが、この都市にはまだ残っていて、きれいな空気の
美味しさを実感するができました。(これと似たような事が、神戸に行くと僕はいつも、風
が流れているな、と感ずるのです。海が近く、夏でも神戸は風があって僕の好きな都市です)
ま、それはともかく、今年の田中静子さんのジョイントリサイタル、多くの皆さんが、音響
抜群の小さな会場に来席され、無事終了しました。初演された僕の「牧水海声譜」も、一年
かけてご自分のものにされた田中さんの弾き歌いが安定していて、声量がそれほどある方で
はないのですが、ホールではバランス良く響き、とても良かったと思っています。演奏会が
ハネたあとの、公園の中にあるホールの周辺からは、昨年と同じように、カエルの鳴き声が
盛んに聞こえてきて、僕の郷里である福井市の往時を思い出しました。来年は、3弦・20絃
・17絃のトリオのために書いた旧作を再演して下さるとか、有難い事と感謝しています。