[1619] 7月の演奏会 (1)

  • 2016.07.19 Tuesday
  • 21:04

❖ 草津の民話による みんなのオペレッタ    ・この演奏会は終了しました

・7月23日(土)午後2時開演

・草津アミカホール(草津市役所北隣り)

 

・前トピック[1618]でお伝えしたように、4日

 後の土曜日に初演が予定されていて、僕も明

 後日から本番当日まで、稽古立ち会いのため

 に、毎日草津まで行く事になりそうです。

 

・草津民話によるオペレッタ

  「青花紙のうた」(台本・中村 暁) (2016)

 

・「こどもが輝くブックトークコンサート2016」

   という公演タイトルが示すように、オペレッタ

 といっても、基本は学校鑑賞教材の一環として

 企画された、1時間以内に収まるコンパクトな

 舞台。歌い手4名、ナレータ1人、楽器伴奏者

 3名による、移動の軽い座組みです。子どもた

 ちに、草津市の「市の花」にもなっている青花

 (ツユクサの一種)にまつわる伝説を、親しみ

 やすい歌のステージで味わってもらいます。

 

・前トピックでは書きもらしましたが、今回のお仕事を紹介したくださった麻植美弥子さんは

 草津市の住人。僕は同じ民話による和楽器の作品を、すでに数年前に彼女のために書いてい

 ます。朗読と17絃のための「青花の紙」(2007) と言う、お話を朗読する人とで上演する曲

 で、これまで何度か学校や公共施設での鑑賞公演が行われて来ましたが、今回のオペレッタ

 公演は、それをさらに音楽的にも充実させ、時代の衣装を着けてビジュアル化し、より多く

 の方々に見ていただく、草津の公益財団による企画です。また、これと平行して、現今の子

 どもたちに、いろいろな打楽器や和楽器の面白さを、自然な形で親しんでもらおう、と言う

 音楽教育的な配慮も働いていると、僕は感じています。‥‥あれやこれや、主催する側にも

 課題の多い今回の公演ですが、明後日からの通し稽古に、僕も大きな期待を込めています。

 

・天気が崩れるという予報でしたが、思いがけなく回復に向かい、まぶしく暑い中にも、風の

 強い夏空となりました。収容300名の小さいホールでしたが、熱心な親子連れや地元の皆さ

 んが来て下さって、賑やかな雰囲気の中、最後まで無事に演目を終える事ができました。

 

・前にも書きましたが、作曲時間にゆとりがなかった事は事実ですが、期日に追われて制作が

 かえって緊迫したものになったのか、終ってみるとそれほど悪い「出来」ではないと、感じ

 ました。当日のお客様の中にも、これを1回だけで終らせるのは惜しいとか、まさに作曲者

 冥利に尽きるご感想を伝えて下さる方もあったと聞き、嬉しいかぎりです。演奏者の皆さん

 の熱演に感謝、また、いろいろとわがままな作曲者の言い分を、こころよく聞き届けてくだ

 さった作詩者で脚本、演出を担当された宝塚歌劇の中村暁先生にも深く謝意を表します。

[1618] 新しい作品の完成(15)

  • 2016.07.16 Saturday
  • 12:39

❖ 短期間の作曲を余儀なくされた委嘱作

・この5月から6月にかけて、僕は数日前に漸く

 最後の小節までを完成した、下記の作品の作曲

 に「追いつめられ」ていて、長期にわたってブ

 ログの更新もできずにいました。

 

・草津の民話によるオペレッタ

   「青花紙のうた」(台本・中村暁)(2016)

  

・楽友で箏演奏家の麻植美弥子さんから、作曲の

 打診があったのは、この春四月の末でした。彼

 女の住む草津市の「市の花」にもなっている青

 花にちなむ民話をもとにしたオペレッタの作曲

 で、公益財団の草津市コミュニティ事業団から

 の依頼とのこと、やはり以前にも和歌山県かつ

 らぎ町で、ご当地民話による市民オペラ「横笛

 の詩」(2012)を作曲させて頂いた前例もあるの

 で、半ばお引き受けするつもりで、麻植さんと

 共に先方の皆様とお目にかかったのが4月26日

 でした。お話を聞くと、僕が想像していた内容

 とは少し異なり、オペレッタといっても出演者

 は数名に留め、市民参加の合唱などは今回は使わない、将来これを学校観賞用に各学校でも

 公演できるように、授業時間内に収まる程度の長さのものにしたい、など、いずれも理由の

 ある事なので、僕としては納得したのですが、その最初の公演つまり初演が、すでに草津市

 立アミカホールで7月23日(土)に決定している、と聞き及びビックリ仰天、今日から数え

 て3ヶ月しかありません。僕はこれまで、初演の日から逆算して2ヶ月前に、演奏者に譜面

 を渡す鉄則を守って来たのですが、そうであれば、5月23日が締め切り日(納期?)という

 事になり、とうてい僕にはムリなのです。‥‥しかし、幸い、著名な宝塚歌劇団の演出家・

 中村暁氏の台本が親しみやすい雰囲気の内容だったので、少しずつでも楽譜を演奏者に渡し

 てゆく、ということで、まあ、成り行き上、お引き受けした次第でした。

 

・それにしても音楽が必要とされる個所が16カ所、少なくとも14曲ほどアリアを書く必要があ

 るのです。他の仕事とも平行させながら、ようやく最後のハッピーな終曲を清書して、演奏者

 の皆さんに送ったのは7月3日でした(その後にも幾つかの追加訂正あり)。有難いことに、

 演奏者の皆さんが、それまでの個所の練習に入り、気前よく待っていて下さったおかげで、来

 る7月21日から始まる通し稽古には何とか間に合ったようで、ほんとにラッキーでした。

 

・すでに公演チラシも出来上がり、宣伝もなされているとの事、僕のブログでも近日中にチラシ

 をアップします。ご期待下さい。‥‥観音利生譚とでも言うべき、心温まる近江のザイショの

 民話です。作曲の機会を与えて頂いた事に、今は感謝しています。
 

[1617] 8月の演奏会(2)

  • 2016.07.13 Wednesday
  • 00:49

❖ 50回目をザ・シンフォニーでの快挙       ・この演奏会は終了しました

・8月6日(土)午後5時開演

・ザ・シンフォニーホール(環状線福島)

 

・これまで何度もここで紹介している楽友・松

 本真理子さん、直近では昨年10月でしたが、

   この夏には「マリコマリンバスタジオ定期演

 奏会第50回記念」と銘打って、大和郡山市に

 ある常打小屋・城ホールではなく、土曜日の

 ザ・シンフォニーホールでの公演となりまし

 た。まさに快挙です。お目出度うございます!

 大会場に相応しい演目を選ばれているので、

 今回もまた華やかで楽しいトークショウが見

 られる事と期待しています。義理堅い彼女は

 今回も僕の作品を1曲、演目に加えて下さっ

 ています。

 

・2台のマリンバとピアノのための

                           「花の章」(2007)

 

・単楽章の小品ですが、マリンバもピアノも共

 に単独でも生計?を立ててゆける楽器。それが三つ巴となってバトルを展開するのですか

 ら、弾く方も聴く方も愉しい気分になる音楽です。そして、この曲には作曲者がひそかに

 仕掛けたもう一つの裏技があります。注意深い聴き手なら気付くかも知れませんが「あれ、

 何だかどこかで聴いたような‥‥」そんなフレーズが何度か現れては消えます。じつは、

 あの滝廉太郎の「花」(春のうららのすみだ川‥‥)の旋律が断片的に組み込まれているの

 です。判る人には判りますが、そうでない人には、かえって煩わしいので、まあ、この事

 は忘れて、音楽を「それなりに」楽しんでくださったら良いでしょう。

 

・僕個人的にはひとつ困った状況になっています。この演奏会と、前トピックでお報せした

 阪口夕山師の尺八リサイタルがダブってしまったのです。時間のずれが3時間あるので、

 新大阪から福島まで、うまくゆけば何とか自分の曲が両方の会場で聴けると思うのですが、

 当日までに調べておく必要がありそうです。どちらも義理を欠かせたくない思いです。

 

・ザ・シンフォニーホールも、久しく足を運んでいません。現在は東京に在住のアメリカの

 良き友人・スコット・ショウ氏が、このホールでオルガン・リサイタルを公演した時に、

 僕のオルガン作品(組曲「4つの記憶」(1993))が委嘱初演されたのですが、あの時から

 すでに23年が経過しました。懐かしい想い出のホール、そしてパイプオルガンです。

 

・上にも書いていますが、2つの演奏会がダブってしまい途方にくれたものの、3時間の

 ラグがあるので「何とかすれば何とかなりそう」と、阪口夕山氏のコンサートで、僕の

 曲が終った直後に、会場を抜け出し、JR新大阪からJR環状福島に向かいました。間に

 合いました!‥‥第1部の後半が始まっていましたが、僕の曲は第2部の真ん中あたり

 だったのです。

・それにしても凄い!あの大ホールが2階席なども含めて、見た目には満席に近い聴衆の

 皆さんで埋まっていて、50周年に寄せる真理子先生の意気込みを実感として感じました。 

 門下生である出演者の数もハンパでなく、彼女の指導者としての実力がみごとに結集し、

 この記念すべきイベントを成功させたのだと思います。

・ほとんど全てのステージが、マリンバ8台以上を並べての合奏、それにパーカッション

 も1〜2セット加わり、大音量での豪華ステージでしたが、僕の「花の章」は,ベテラ

 ン級の大江さん深津さんに、これまで何度もお世話になっている吉田はるみさんのピア

 ノで、たった3人だけの、そのだけ対比的に、とてもコンパクトで緊密な演奏を展開

 して下さいました。何度目かの再演、懐かしく聴くことができました。

・真理子さん自身の作曲による「フレンドリー」というステージを初めて聴きましたが、

 楽器を使わない「ボディパーカッション」という着想でのイヴェント舞台、じつに面白

 く、今後もぜひ再演してほしいです。そのつど、聴衆の皆さんが元気をもらえそうです。

 真理子先生ほんとにお疲れさまでした!

[1616] 8月の演奏会 (1)

  • 2016.07.12 Tuesday
  • 02:10

❖ 10年前の委嘱作品の、嬉しい再演    ・この演奏会は終了しました

・8月6日(土)午後2時開演

・ムラマツリサイタルホール新大阪

     (ソーラ新大阪21ビル1F)

 

・もう10年も以前の事です。2006年の秋に、明

 石市の中崎公会堂という明治44年建造の、現在、

 明石市景観形成重要建築物に指定されている

 事な和風建築の大広間で、邦楽の会が催された

 ですが、その時の出演者の一人・麻植美弥子

 さんから作曲のお話をいただいて、2本の尺八

 と17絃による三重奏曲を、その時の委嘱作品と

 して初演て頂きました。

 

・2本の尺八と17絃のための「朝霧の舟」(2006)

 

・今年になって、初演者のお一人だった尺八の阪口

 夕山氏からお話があり、この曲を氏の今年の夏の

 演奏会に採り上げて下さるとの事、しかも17絃は

 初演と同じ麻植さんが参加して下さるとの事、僕

 とっては夢のような有難いお話なので、なにとぞ

 宜しくと、お礼のご返事を伝えました。

 

・ここに掲示した演奏会チラシや招待状が、さきごろ僕の方へも送られて来たのですが、それを

 見てビックリ!僕の勝手なイメージでは、一門の方々を交えて納涼をかねた「夏会」とばかり

 に思っていたのですが、邦楽ジャーナルの田中隆文氏を司会者に迎え、全10番のステージは

 いずれも阪口氏が出演される本格的なリサイタル、とても納涼どころではありません(折しも

 8月6日は広島原爆投下の日)。また演目の中には伝統邦楽の古典として後世に名が残るはずの

 「残月」とか「八重衣」などに加えて、現代邦楽の作曲者は、いずれも既に評価の定まった方

 々ばかり、僕の曲がここに加わるのは、何だかバランスを崩す場違いの気がしてなりません。

 そのような訳で、僕としてはいささか恐れをなしている処です。ただ、「枯れ木も山の賑わい」

 という言葉もあるし、個人的には、これまであまり学習ができていなかった尺八音楽の全般に

 ついて、実際の演奏を通しての勉強ができる好機なので、氏のご好意に感謝つつ、当日を待つ事

 にしています。

 

・今回の自分の曲「朝霧の舟」について全く触れないのも変だし、決して自分の曲を嫌っている訳

 ではないので、次に簡略にコメントします。この作品は、明石市に石碑も建っている柿本人麻呂

 の名歌「ほのぼのと明石の浦の朝霧に 島隠れゆく舟をしぞ思ふ」に想を得て、漕ぎいだす舟の

 ふなベリを打つ波の音、互に呼び交す千鳥の声、やがて心の中に現れる海神に「詠歌」を捧げ、

 霧が晴れて行く朝の海の情景を、「ソナタ形式崩れ」になってしまいましたが、2つの主題を

 もとに構成した約8分余の作品です。初演から10年後これを再び演奏してくださる阪口師、麻植

 美弥子さんに加えて、第2尺八には新たに米澤 浩師が加わっていただきました。当日ステージで

 のご成功を作曲者として心から祈っています。

 

・この日も朝から太陽が照りつける猛暑日となりましたが、会場には熱心な聴衆の皆さんが参集さ

 れ、開演頃にはほぼ満席に近い状況で、演奏会が開始されました。「小さな尺八コンサート」と

 名付けられた阪口夕山師のリサイタル、今回で第36回とか‥‥「継続は力」という言葉が実感

 できる充実した内容で、みずからが毎回出演する、編成の異なる10ステージを準備された事に、

 先ず感銘しました。

 

・実は、本番に先立つ7月14日リハーサルに立ち会わせて頂いたのですが、その時の皆さんの演奏

 がとても優れたものだったので、僕からは何も言うことがなく、本番での成功を確信していまし

 た。はたしてその通りになり、内容から言ってもこの曲は爽やかな叙景の音楽、6/8拍子の流れ

 るような海のうねりの中で、いわば東洋の「ホフマンの舟歌」が聞こえてくる心地よさを、聴衆

 の皆様にも楽しんでいただけた事と思います。音楽が自分のものになっている御三人の、ゆとり

 ある遊び心のもと、素敵な再演をしていただき、感謝しています。

 

・ただ、僕が会場にいたのはここまで、拍手を頂いてから直ぐに会場を去り、ダブルブッキング

 となった次の会場ザ・シンフォニーホールへと向かいました。その次第はトピック[1617]で。

 

 

[1615] 6月の演奏会 (4)

  • 2016.07.12 Tuesday
  • 01:52

❖ 幻灯画つき宮沢賢治「やまなし」余市  ・この演奏会は終了しました

・6月24日(金)午後7時開演

・日本キリスト教団余市教会

        (余市町 宇宙記念館向かい)

 

・このところ作曲の期日に追われ、ブログ更新が

 できず、気がついたら、すでに演奏会は終了し

 てしまっていました。事後報告です。

 

・演奏会の内容は、トピック[1614]でご紹介した

 「クラムボンの会」移動公演の一環、北海道は

 余市町での公演です。

 

・アイリッシュハープと語りのための

 「やまなし」(原作/宮沢賢治)(1980)

 

・11日は藤沢の寺院で、そして今度は余市の教会

 で、賢治の詩情あふれる世界が、このように全国

 の方々へ共感の環を広げてゆく事を、祈っていま

 す。初代元祖の林さん、お疲れが出ませぬように!
 

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< July 2016 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM