❖ 西陣の織り子・ユキの半生を語り弾きで ・この演奏会は終了しました
・12月2日(土)午後1時30分開演
・大阪キタ 朝日生命ホール(北区高麗橋)
・毎年この定期公演のご案内をアップする頃に
になると、あ、もう今年も終幕に近づいてい
るな、と思ってしまいます。感無量という程
でもないですが、季節の巡りの早さに、ふと
立ち止まる思いです。
・関西在住の邦楽作曲者を中核とする本会も、
来年はいよいよ40回目の節目を迎えます。こ
れまで僕も入会以来欠かさずに作品参加し、
邦楽プロパーの諸氏から多くの事を学んできま
した。近年お聴きいただいた篠笛と箏、三絃と
二十絃と十七絃、などの邦楽室内楽に続いて、
第39回の本年は、梶寿美子さんの弾き語りに
よるソロの舞台をお聴きいただこうと思います。
・ひらのりょうこの朗読詩による「おゆき」(2000)
・京都西陣に生まれ育った詩人 ’ひらのりょうこ’ さんは、病気療養の現在も詩作を介して活発な
地域活動に携わっておられます。この朗読詩「おゆき」は、彼女の祖母の話がもとになって出来
たものだとか。織り子サンとしての平凡な一女性の、太平洋戦争を挟んだ自分史を、詩人の目で
詩情豊かに、観光用の京都弁ではなく、地についた普通の京都弁で語ります。
・この作品は、僕がひらのさんから詩稿(もともとは茂山千之氶さんのために書かれた詩)を頂
き、箏奏者の梶寿美子さんの委嘱で作曲したものです。梶さんは、僕が1967年に臨時教員と
して京都府立盲学校音楽科へ一年間派遣された時の最終学年生だった教え子で、卒業の年に、
大阪音楽大学へ点字受験で入学した最初の視覚障害者でした。2000年の初演以来、何度も
彼女のステージで再演され、今では完全に彼女の分身となって年季を積んだ「おゆき」‥‥
今回はどのように聴き手の心に届くのか、本番をとても期待しています。
・足場の良さと、日程を確実に12月第1土曜に優位予約できる便利さのために、朝日生命ホール
は、我々にとって有難い会場なのですが、ホールが一枚扉であること、ステージに反響板がなく
奥行きも不足していることなど、今時のホール基準からすると、まったく失格に近いコヤです。
ただ、僕が知っている限りでも、すでに10年も経つにつれて懐かしく、勝手知ったる愛着もわ
き、なかなか他の会場に目移りできないのが本音です。
・冬晴れの心地よい青空となり、今年も延べ300名以上の方に聴いて頂くことができました。
12作品、独奏から大合奏まで、歌唱を伴う曲から器楽演奏のみの作品まで、今年もバラエティ
に富んだ内容で、年を追うごとにリピータはじめ来場者の数が増えつつあるのを実感していま
す。9番目だった僕の作品「おゆき」も、弾き語りの梶さんが完全に自分のものにした密度の
高い独壇場となり、大成功でした。
・次回は、2018年12月1日(土)に、このホールでの予約が既に取れてあり、我々の会にとって
は、第40回の節目でもあります(僕にとっては、この会に参加してから11年目に相当します)。
11年前この会へ僕を推薦してくれた楽友・吉岡綋子さんに、次回は出演してもらう予定です。