[1809] 4月の演奏会(2)

  • 2018.03.21 Wednesday
  • 15:04

❖ 試練を乗り越えての再出発、第2回公演  ・この演奏会は終了しました

・4月22日(日)午後2時開演

・京都府民ホール・アルティ(烏丸通一条下ル)

 

・法人解散ののち、昨年4月に社団「日本歌曲

 関西波の会」として最初の演奏会を開催させ

 て頂いた我々でしたが、これまでの聴衆の皆

 様からの変わらぬご支援のお蔭で、無事盛会

 の中で大阪フェニックスでの公演を閉幕させ

 ていただきました。会長として、ここに深く

 御礼申し上げます。そして、この機運を逃す

 事なく、今年も引き続き、恒例のように会場

 を京都に移して第2回の(通算では14回目の)

 演奏会を開催の予定です。

 

・ただ、昨年9月、我々の会には思いもかけぬ

 甚大な悲報が届きました。これまでずっと、

 歌い手連中の陣頭指揮?をとっていた副会長

 の内藤千津子さんが、数年前から療養を続け

 ていた体内の病魔によって、遠くへ旅立った

 のです。‥‥‥ようやく新しい一歩を踏み出

 した我々にとって彼女の死は、まさに痛恨のきわみでした。しかし、その事実が生き残っ

 た我々を団結させる結果となり、新しい会員も増えた中での、今回の公演となりました。

 

・内藤さんの他にも、昨年7月には、かつての母体である「日本歌曲振興会波の会」の名誉

 会長で、名曲「落葉松」の作曲家・小林秀雄氏も逝去されました。我々の会の生みの親の

 お一人です。そのような事情もあって、今回の第2回公演は、お二人を偲ぶ、いわば追悼

 演奏会でもあるのですが、聴衆の皆様をお迎えした上は、あくまでも季節にふさわしい爽

 やかな舞台作りに徹しようという事になっています。

 

・小林秀雄作品を、追悼として何曲か歌う時間のつごうで、今回僕の曲は次の1曲だけです;

 

・ソプラノ二重唱「月に寄せる子守り歌」(詩・貞松瑩子) (2004)

 

「ものみな眠る夜なのに ひとり旅する影がある 旅するひとは誰でしょう‥‥‥」と歌い

 出される、貞松瑩子さんの詩にしてはとても判りやすい、3番まで続く定型詩。前田よし子

 さん、片山映子さん、二人のソプラノで歌います。「おやすみ、おやすみ、おやすみなさい」

 と各節ごとにリピートされるリフレインが、今は亡き内藤千津子さんに呼びかけるように、

 鎮魂の想いを込めて、プログラム前半(第1部)のトリで、優しく歌われます。

 

・まだ4月というのに、夏を感じさせるような陽気になりましたが、雨でなくて足場が良かっ

 たのは幸いでした。仲間の内藤さんを失って意気消沈していた我々を励ますように、いつもと

 変わらず多くの来聴者があり、盛会の中で無事に最後のステージまで滞りなく進み、終演しま

 した。第1部の最後に歌われた、僕の「子守歌」二重唱も、慰謝と鎮魂の思いを込めて、感銘

 深いものでした。歌唱指導をしていただいた顧問の上村京子先生が、当日はるばる長野市から

 お越しいただき、また、名古屋波の会の会長・伊藤晶子先生も、ピアニストの伊藤真理さんと

 母娘ともどもに来席くださって、たいへん名誉な事でした。‥‥今年が京都だったので、来年

 は大阪です。すでに2019年4月21日(日)梅田新道フェニックスホールが抑えてあります。


 

[1808] 4月の演奏会(1)

  • 2018.03.21 Wednesday
  • 14:00

❖ 楽友の記念演奏会へのお祝いに     ・この演奏会は終了しました

・4月8日(日)昼12時30分開演

・兵庫県立芸術文化センター

     KOBELCO大ホール(阪急西宮北口)

 

・楽友として10年余に及ぶ、二代狩屋春樹さん

 は、父君の初代狩屋春樹氏の跡目を注がれて、

 今も多くの門下を育成しておられますが、今

 年は初代生誕100年との事、それを記念して

 の意欲的な定期演奏会を、兵庫芸文大ホール

 において間もなく開催されます。同時にこれ

 は二代春樹さんの継承30周年でもあるとの事、

 重なっての祝儀です。

 

・すでに昨年夏ごろ、この日のために新曲を書

 いてほしいとのご相談を受け、秋10月下旬に

 次のようなタイトルの小品を完成しました。

 

・三絃・二十絃・十七絃のための三重奏曲

                   「青葉の波」(2017)

 

・室町時代末の大和国の領主・十市遠忠が詠んだ青葉の和歌にインスパイアーされて、この曲

 を作曲した経緯は、すでにトピック[1734]でお伝えしていますが、季節が夏へと向かう頃の

 緑の色も鮮やかな青葉若葉、風に乗って波のようにうねり広がる繁茂の目出度さを、音楽に

 しました。ささやかながら、信頼する楽友への「お祝い」として献呈しようと思います。

 

・初代生誕100年/二代継承30周年を記念しての特別演奏会という名に恥じない、大ホールを

 ほぼ満員に埋めての立派な演奏会でした。プログラム前半すべて初代狩谷氏の4つの作品が

 占め、後半の6ステージの内、3ステージは二代狩谷さんの作品、中間をつなぐものとして、

 唯是震一氏、中村茂隆氏、それに僕の作品が花を添える形で加わりました(主演の箏奏者の

 体調不良で、やむなく唯是氏の作品が演奏できなかったのは残念でしたが)。舞台の最後を

 飾った二代狩谷さんの「魅せられてシリーズ」は、それ自体が3つの大きなパートから構成

 されている意欲的な舞台で、二重奏、三重奏の室内楽的な舞台から、約100名近い門下生や

 尺八奏者が居並ぶ大合奏まで、よくもここまで指導を重ねて来られたものだと感服しました。

 破綻なくぶじに最後のステージまでご成功された快挙に、心からの賛辞を送ります。

 

・今回の記念演奏会のために、わざわざ僕へ委嘱を指名していただき、とても光栄な事でした。

 古歌にもとずく「青葉の波」という小品を祝儀させていただきましたが、素晴らしい三人の

 息のあったアンサンブルのお陰で、完璧な初演をこの大ホールで響かせていただき、感謝し

 ています。大合奏の豪華さには及びませんが、三重奏の室内楽としてはそれなりの緊迫感も

 あり、自分としてはとても満足しています。この種の邦楽演奏会において、8分の9拍子と

 いうリズムで演奏される曲もレアなので、短いながらも、聴衆の方々には新鮮に聴いていた

 だけた事と思っています。狩谷先生、ほんとに有難うございました。

 

 

 

 

 

 

 


 

[1807] 新しい出版楽譜(13)

  • 2018.03.17 Saturday
  • 18:07

❖ 1年半後となった後巻の出版      

・2016年の秋に出版した「千秋次郎歌曲集1」

 に引き続いて、後続の第2巻

 

・「千秋次郎歌曲集2」(全音楽譜出版社刊)

                           (120ページ / ¥2,900+税)

 が先月中旬に刊行され、作曲者の自選による

 全32曲の歌曲を2巻に配した歌曲集が、ここ

 に漸く完成しました。僕のようなローカルで、

 無名にひとしい者の作品を発刊してくださった

 (株)全音楽譜出版社のご厚意に、今はただただ

 心から感謝しています。

 

・この第2巻に収録されている曲目は、項を改め

 下方の広い紙面でお伝えしますが、これまで所

 属していた日本歌曲「波の会」で発表・初演し、

 全音楽譜出版社「波の会・日本歌曲集シリーズ」

 (色んな名称で発刊されています)に分散収録さ

 れた僕の作品を、取り出して一括掲載したのが

 この第2巻の大部分を占めています。前巻と同

 数の16作品、それらを出版譜の曲順ではなく、

 作曲年の古い方から順に、曲名/作詩者名/作曲年のセットで配列すると:

  (1) 海を待つ/宮中雲子          1988

    (2) 谷底の松のこと/河野 律         1989

    (3) 虹/狩野敏也             1989

    (4) 愛と風/御木白日               1990

    (5) まんだらげの花/矢柴うた子      1991

    (6) ゆうなみ/小川淳子            1991

    (7) 花あかり/相馬梅子          1992

    (8) 手のひらの地図/宮田滋子       1993

    (9) 雪と椿/小川淳子           1995

    (10) 言葉は鳥/笠原三津子         1998

    (11) 桐壺/友永淳子            1999

    (12) 霧のうた/西岡光秋          2007

    (13) 冬へのオード/貞松瑩子        2007

    (14) 河/香山雅代             2007

    (15) 花水木の手紙/吉田義昭        2016

    (16) 夏の終り/杉本秀太郎         2017

 

・第1巻と第2巻で互いに補填しあって、ほぼ毎年のように歌曲作品を書いていたことが判るの

 ですが、それでも2000年から2005年にかけては、声楽作品ばかりでなく他のジャンルの制作

 にあっても作品数が減少していて、やはり自分にも制作の波があったことに気付きます。

 

・上記16作品の中で、今回初めて譜面として公開されるのは (2)(4)(14)(15)(16)の5作品です。

 残りの11曲は、前記のように、すでに刊行されている出版譜に収められていますが、演奏に際

 してのヒントになるかも知れない作曲者の率直なコメントが付記されているのは、これらが最初

 でしょう。なお、この楽譜はすでに発売され、全音楽譜出版社の広報にも宣伝されています。

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