[1812] 6月の演奏会(1)

  • 2018.04.27 Friday
  • 23:10

❖ 松本市での二十五絃箏の定期演奏会        ・この演奏会は終了しました

・6月8日(金) 午後7時開演

・ザ・ハーモニーホール(小) (松本市島内)

 

・松本市在住の二十五絃奏者・田中静子さんの、

 毎年恒例となったジョイントリサイタル、あり

 がたい事に、お付き合い始めてから、もう6年

 になるのですが、このブログを立ち上げてから

 でも、2014201520162017、 そして

 今年、と毎回、僕の作品を採り上げてくださっ

 ています。今年演奏される僕の作品は、すでに

 2014年に演奏された曲の再演です。

 

ヴァイオリンと二十五絃箏のための

          「風の里歌」(1995/2014)

 

・4年前のヴァイオリニスト降旗貴雄氏を、再び

 ゲストに迎えての再演です。N響の降旗氏の見事

 な演奏に、僕はすでに4年前に感服しています。

 今年のお二人の演奏も、きっと期待に背かない

 素晴らしいステージになる事を期待しています。

  故郷に帰ってきたような気分になれる程よいサイズの城下町・松本市を、今年また訪れる機会

 ができたのも、嬉しいことです。

 

・折しも前線の移動と重なり、雨とぶつかるかも知れない悩ましい空模様だったのですが、松本

 は曇り空、湿度は高いながらもヒンヤリとした風が吹き、さほど汗はかかず、思ったより快適

 でした(大阪と比べて空気がきれいなことが実感できます)。4年前と同じ顔ぶれのお二人の

 ジョイント、演目が異なったためコンサートの雰囲気が変わり、今回も充実した内容に堪能し

 ました。その中で僕の「風の里歌」だけは、前回と共通して今回も採り上げられ、再演されま

 したが、お二人に曲に対する把握が深まったせいでしょう、ずいぶんと自由闊達な、遊び心に

 満ちた、実に愉しい演奏を聴かせていただきました。作曲者としては、何もほかに言うことの

 ない満足と感謝で一杯でした。翌日はカラリと晴れた初夏の空。また来年の再訪を心に刻み、

 帰阪しました。

[1811] 新しい作品の完成(28)

  • 2018.04.26 Thursday
  • 09:38

❖ 秋の東京定演に出品する2曲目

前トピックに続き、数日後にこの作品を完成し

 ました。作詩者の入船氏は、昨年の会にも「夏

 休み」でご一緒した詩部門の会員です。

 

・「冬の夜話し」(2018) (詩・入船康和)

 

・左に掲示した手書き浄書譜面の冒頭に、歌詞を

 載せていますが、不鮮明ながら視覚的にも判る

 ように、この詩は整った4行3節からなる詩型

 で、まさに「有節歌曲」つまり同じメロディー

 を1番2番3番と歌詞を変えて歌って行ける、

 詩そのものが音楽的にできている好都合な作品

 です。通常の歌では、童謡から演歌までそれが

 「あたりまえ」なのですが、いつの頃からか日

 本歌曲では、そういう形式の整った詩を書く詩

 人が、僕の所属する会ではいなくなり、今では

 自由詩が主流となってしまいました。

 

・今回、この作品に巡り合えたことを、僕は僥倖

 と喜び、「この道」や「あかとんぼ」の先例に

 ならって、ピアノ伴奏は3回とも変えないまま、歌のメロディーも1番のメロディーに従う

 ことを原則として(言葉のアクセントが異なる個所だけ微調整して)愉しみながら作曲を進

 めました。掲示の楽譜、一見するとピアノ伴奏譜の上に、女声三部合唱が書かれているよう

 に見えますが、実際は、下から1番2番3番と、ソロの歌唱パートが記譜されているのです。

 

・僕が、これまで一時期には役員も務めさせていただいた日本歌曲の会では、新作の歌曲はす

 べて「首都圏を中心とする標準アクセント」に従うことを原則としていて、この作品も含め

 僕の歌曲作品は、関西弁による幾つかの作品以外は、全てこの方針に従っていますが、こう

 いう有節形式の歌曲でも、それを守るべきかどうか、判断の難しいところです。「からたち

 の花」では、厳密にアクセントに従って、異なるメロディを書き分けた山田耕筰が、「あか

 とんぼ」ではメロディの書き分けをせずに、第3節の「十五でねえやは嫁に行き」を敢えて

 「十五でねえやは夜目に雪」と誤聴されるリスク?をものともせずに、メロディをそのまま

 にした事を、僕は「耕筰の見識」として、心から評価・敬服しています。

 

・曲のコメントが最後になってしまいました。「冬の夜話し」(あえて「し」という送りを加

 えた詩人の配慮。これがないと「夜話」が「ヤワ」と呼ばれるかも知れず。)は、冬の夜寒

 に語られる登山男ヤマオトコの述懷です。‥‥‥(1) 風が戸を叩く冬の夜は 笛と喇叭を奏

   でながら むかしの山友トモが夢に現わる 山小屋ヤマヤのころが懐かしい  ‥‥いささか

 ぶっきら棒で、措辞にも仲間言葉が使われる男唄。湿っぽくない音楽を、これに配しました。

[1810] 新しい作品の完成(27)

  • 2018.04.11 Wednesday
  • 22:22

❖ 秋の東京定演に出品する1曲目

・現在もう僕は会員ではなく、名誉会員にして

 頂いているのですが、昨年の第1回公演に続

 き、今年の秋にも、もと我々の本部組織だっ

 た東京の「日本歌曲振興波の会」主催による

 第2回定期演奏会(新作の会)が開催される

 予定です。

 

・僕も要請されて、会員の詩に2曲ばかり曲を

 つけて初演していただくことになりました。

 その1曲目がこれです。

 

・「想い出がふる」(2018)

                              (詩・いしかわ きんえつ)

 

宵やみのとき きみがため あめがふる 

 きみがため 吾がほほがぬれる

 ‥‥‥と歌いだされる叙情的な佳篇。詩形の

 上では自由詩の形態ですが、措辞には詩語の

 繰り返しが意図的にはかられていて、とても

 詩自体が「音楽的」で、楽しみながら作曲を

 進めました。自分にとっては久々の短調による作品になりましたが、過ぎ去った日々を歌

 う中間部では、穏やかな長調に移り、ここには周知の「垣に赤い花咲く‥‥‥」の旋律が

 ひっそりとピアノで重なってきます。‥‥‥夕暮れの街に降りだした雨が呼び起こす遠い

 恋人との想い出を歌います。


 

 

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