[1816] 新しい作品の完成 (29)
- 2018.06.21 Thursday
- 17:59
❖ 海外での初演と出版が確定した三重奏曲
・この三重奏を完成したのは今年の1月10日、
つまり昨年の暮れから新年にかけて、ずっと
僕は制作に明け暮れていました。ひとまず完
了してから、作曲を打診してきていた(委嘱
者と呼んでも良いかも)ユーフォニアム奏者・
アダム・フライ氏と連絡を取り、ダメ出しが
あるかどうかチェックしてもらい、彼の演奏
日程がタイトで、チェックに日時を要しまし
たが、最終的に、向後のリサイタルで彼が仲
間とともに初演、同時に彼の出版ブランド
Euphonium. com Publications からの出版
が決定しました。ご案内が今日まで遅れたの
は、そのためでした。
・アルトサックス、ユーフォニアム、ピアノの
ための 「琥珀色の間奏曲」(2018)
" Amber Interlude " for alto saxophone,
euphonium and piano (2018)
・コハクイロなどと日本語で呼ぶよりも、英語
のままアンバー・インターリュードと呼ぶ方が簡単で、楽譜のタイトルも英文がメインです。
演奏時間約6分半の親しみやすい小品ですが、上掲のサンプル譜を見ても気づかれるように、
この作品、実のところは、2000年に作曲したサクソフォーン四重奏曲「風のアーケード」*
を、2014年になってフルート合奏のための「追憶の季節」**にリメイクし、それを更に
今回、alt-Sax, Euph, Pf のためのトリオにリ・リメイク?したもので、ピアノが加わること
によって、響きの作り方の発想を今回は大幅に更新しなければならず、とても苦労したのです
が、その一方で、自分にとっては親しい楽器・ピアノが加わることで、伸び伸びと音楽をリ
ライトすることができました。古代の樹脂が化石化した琥珀アンバーには、時おり、中に昆虫
などが閉じ込められて化石になっています。過ぎ去った遠い記憶を、ふと懐かしく我々に想い
出させてくれる、この間奏曲‥‥‥まさに追憶の一刻ひとときと呼ぶことができるでしょう。
この秋には楽譜が刊行される予定なので、その折に改めてまた、ご案内させてください。
*「風のアーケード」(2000)は、トピック[1728] で紹介している、大阪芸大時代の教え子の
辻本剛志氏らトゥジュール・サクソフォーン・カルテットの諸氏によって同年3月初演。