[1818] 新しい作品の完成(30)
- 2018.08.03 Friday
- 15:20
❖ 創立60周年記念のための委嘱作品
・トピック[1815] でも紹介した豊中市合唱協会
は今年で創立60周年を迎えます。毎年恒例の
12月に、今年は記念式典を持たれる予定です
が、その演奏会において記念のための新曲を、
会員有志によって演奏披露される案が出され、
作曲の打診がありました。とても光栄なこと
なので、旧知の詩人・池田もと子さんに相談
したところ、さっそく「野の花がすき」とい
う素敵な詩稿を送ってこられました。
・野の花がすき
まだ北風の吹く早春に
春を告げてくれる
はこべの花
澄んだ青い瞳で咲く
いぬふぐりの花
・これが第1節で、同じ形の節が2節続きます。
簡潔で素直な情感に溢れた詩篇なので、すっ
かり気に入ってしまい、これをテキストとして
女声2部合唱の作品を制作し、提供させて頂くことにしました。
・素朴な詩篇に作曲するとき留意すべきは、決して曲が安易なものに堕してはならない、と
いう事です。そのために、すくなくとも1番と2番は、語彙のアクセントに極力従いながら
同じ旋律の中に言葉を自然に収め、A-A-B のような構成(バール形式)で、この短曲をまと
める事でした。気に入った詩なので、直ぐにでも完成できると思っていたのですが、その後
大阪北部での強い地震や、連日の猛暑による体調不良が長引き、着手してから12日後の7月
25日に、ようやく4分弱の二部合唱曲を完成しました。苦労しましたが、まずまず小品とし
ては「壺中天」とでも呼ぶべきか、まとまった世界が表現できたと思っています。
・ようやく「現物」ができたので、これから会員の参加者を募って練習に入ってくださるとの事。
今年の12月9日(日)に予定されている演奏会に、果たしてどのように初演して頂けるのか、
今後の進捗を期待しているところです。