[1916] 8月の演奏会(1)

  • 2019.06.24 Monday
  • 00:52

❖ 秀逸な伴奏者を得て会心のリサイタル     ・この演奏会は終了しました

・8月3日(土)午後6時開演

・京都文化博物館・別館(三条通高倉上ル)

 

・我々の日本歌曲関西波の会の明日を担う前田

 よし子さんは、智辯学園奈良カレッジの非常

 勤講師で多忙の中、このたび満を持して、ソ

 ロのリサイタルを開催される運びとなりまし

 た。伴奏者として我々の間で定評のある中村

 展子さんが務められ、声量豊かな前田さんの

 ソプラノを巧みにサポートされ、お二人で

 感銘深いステージを構築される事と思います。

 

・今回のプログラムのなかに「関西の現代作曲家

 の作品を集めて」というコーナーがあり、その

 中で僕の作品も1曲採り上げていただく事にな

 りました。これまで何度も演奏されていますが、

・「十七才」(1994)(詩・佐久間郁子)

・祖母・母・自分という女系三代にわたる、それ

 ぞれの17yo の姿を、いわば定点観測するという

 詩の内容で、音楽の方もそれぞれの時代に合わせ、

 和風→洋風→今風 と変貌する、3種の音楽スタイルが1曲に詰め込まれた「美味しい」歌曲

 ですから、たとえ前田さんが多少トチっても?!お客様は楽しく聴いてくださる事うけあい

 です。心から、ご盛会とご成功を祈っています!

 

・この日も暑い1日でしたが、旧・日本銀行京都支店の遺構をそのまま活用した、天井の高い1階

 正面ホール、客席はパイプ椅子を並べただけのアットホームな雰囲気と適切な空調のおかげで、

 充実した内容の日本歌曲を心ゆくまで堪能しました。ともすると時間を埋めるために、童謡など

 のステージが挟まれる事もあるのですが、今回はそれが無く、いわばシリアスな日本歌曲だけを

 選んで、日頃の成果をみごとに示されました。僕の「十七才」などは、その中では軽めの曲に

 属しましたが、かえって対比的で面白く、大成功でした。声量・ピッチともに不満は無く、しい

 て希望を言えば、今後さらに日本語がより明確に聞き取れたら、ほんとに鬼に金棒?でしょう。

 中村展子さんのピアノも、大曲・難曲を柔軟にこなしておられ感銘でした。ますますのご研鑽と

 ご進展を祈っています。
 

[1915] 7月の演奏会(2)

  • 2019.06.23 Sunday
  • 14:50

❖ 亀岡市で響くオーボエと葦笛      ・この演奏会は終了しました

・7月15日(月・祝)午後3時開演

・かめおか桂ホール(亀岡市中矢田鳥居前)

 

・旧友のオーボエ奏者・呉山平煥氏が、箏の福

 原左和子さん、ピアノの西脇小百合さんとタグ

 を組み、土地の木材をふんだんに使った亀岡市

 の桂ホールで、リサイタルを開催されます。オ

 ーボエ奏者ですが、今回は滋賀県の琵琶湖のあ

 たりで採れる葦から造った葦笛での演奏もある

 との事なので、伴奏楽器も洋楽と邦楽とりどり

 に、きっと興味深い演奏が聴かれることと思わ

 れます。

 

トピック[1902]でも報告していますが、京都ア

 スニーでの演奏会で、呉山・福原のお二人によっ

 て僕の作品が2曲演奏されています。今回の亀岡

 公演でも3つの作品が予定されていて、とても光

 栄な事です。

 

・オーボエ独奏のための「峯からの声」(1987)

・オーボエと箏のための「麓には花散る寺」(2004)

・オーボエと箏のための「葉がくれの花」(1997)

 

・3作品とも、お二人の息の合った演奏によって、これまでに何度も再演されて、まさに「作曲者

 冥利に尽きる」思いをさせてもらっていますが、今回の亀岡でも、曲に託したお二人の想いを、

 聴衆の皆様にお伝えください。ご成功を祈っています。

 
 

[1914] 7月の演奏会(1)

  • 2019.06.23 Sunday
  • 14:05

❖ 豊中市第62回合唱の夕べ        ・この演奏会は終了しました 

・7月6日(土)午後1時30分開演

・豊中市立アクアホール(阪急曽根)

 

・チラシの女の子の笑顔からも楽しさが伝わっ

 てくるように、豊中市合唱協会加盟のコーラ

 ス団体の恒例イベント「合唱の夕べ」が、今

 年もアクアホールで開催の予定です。なにせ

 参加数が多いので、各自の持ち時間は僅かで

 すが、同じ条件の下で、どのように舞台効果

 が達成できるか、合唱の出来栄えの他にも、

 聴き手にとっては愉しみが多く、今年も盛会

 となることでしょう。

 

・委嘱女声合唱曲「野の花がすき」の初公演

 きっかけとなって、昨年暮れに発足した「女

 声コーラス野の花」ですが、今回の公演参加

 に選ばれた僕の曲は、これまでにも幾度か他

 の団体で採り上げられている、大阪の祭りを

 めぐる島田陽子さんの詩による楽しい歌です。

・「大阪祭づくし」(1990)(詩・島田陽子)

・この詩には「しりとり歌」と脇注が記されていて、歌詞のそれぞれの行の最後と次の行の

 頭で「しりとり」をしながら詩が完成しています(簡単そうですが、確実にしりとりをし

 ながら一編の詩を完成させるのは至難の技。亡き島田さんの言語センスの冴えに驚きます)。

 ‥‥‥当日の皆さんの晴れ舞台が楽しみです。

 

・異様なまでの炎暑、この日も朝から暑い豊中でしたが、会場ホールは快適で、各出演団体の

 皆さんの熱演を愉しみました。合唱活動の盛んな豊中市、出演が48団体にも及び、さすがに

 最後までは僕も残れませんでしたが、21番目に出場した「女声コーラス野の花」の皆さんの

 8分間の成果を、楽しく聴くことができました。これだけ出演数が多いのに、関西とか大阪

 地元の曲が歌われることが少なく、その意味でも、大阪の祭に密着した夏らしい元気な歌唱

 は、聞き手の皆さんの心に残った事と思います。祭風の衣装で、楽しく、時にはしっとりと、

 指揮者自身によるピアノも素晴らしく、見栄え聴き栄えがして大成功でした。お疲れさま!

 

 

 

 

 

 

 

[1913] 6月の演奏会(4)

  • 2019.06.23 Sunday
  • 00:37

❖ 亡き師を偲び、その遺志を受け継いで     ・この演奏会は終了しました

・6月29日(土)午後2時開演

・学園前ホール(近鉄学園前、奈良西部会館3F)

 

・今は亡き会友・内藤千津子さんの門下生たち

 が新しく結成された「新・彩の会」は、現在

 最も深く薫陶を受けられた中谷淑子さんが、

 その後の指導を続けておられます。全員がソ

 プラノという事もあり、日本語の歌詞を歌う

 際の、ソプラノ固有の問題点とか、色いろと

 切磋琢磨して皆で解決してゆける利点が多い

 と思います。今回出演のなかで4名の方が、

 来る10月の京都アルティでの「日本歌曲・

 関西波の会」定演に出演され、しかも中の

 3名の方にとってはデビュー公演となるので、

 この奈良での演奏会は、いわば予行演習を兼

 ねた意味あいも持っています。

 

・そのなかの一人の新人・横尾友子さんが、僕

 の曲を歌ってくださいます。

・「虹」(1989)(詩・狩野敏也)

・全音楽譜出版社刊「千秋次郎歌曲集2」所収の、かなり以前の作品ですが、すっきりと

 型に収まった2番からなる有節歌曲。流れるような9拍子というのも、いかにも自分好み

 です。爽やかな情感で、秋の公演が成功されるよう、今回のステージ成果を期待しています。

 

・予行演習ないし試演会としての性格もあり、中には「途上の出来栄え」というステージもあ

 りましたが、ともかくも皆さん熱心に取り組んでおられ、努力が感じられる良い舞台でした。

 今は亡き内藤千津子さんの薫陶を受けた人たちなので、日本語の発声に他とは一線を画する

 何かがあって、良かったです。印象的でした。横尾さんの「虹」も、曲の雰囲気が出ていま

 した。あとは発声に一層の安定感が出てくると良いですね。10月の京都での本番に期待!

 


 

[1912] 6月の演奏会(3)

  • 2019.06.22 Saturday
  • 22:44

❖ マリンバとピアノによる充実の一刻    ・この演奏会は終了しました 

・6月22日(土)  13時半/17時半 開演(2回公演)

・つくば文化会館アルスホール(つくば市吾妻2)

 

・今年の1月にも東京でリサイタルを持たれた楽

 友・明瀬由武氏が、今回は「日本の歌、そして

 ロシア」と題して、地元であるつくば市のホー

 ルで@ホームながらオーセンティックな演奏会

 を予定されています。

 

・ピアニストの高瀬奈美さんと共にデュオコンサ

 ートをスタートされてから今年で5年目とか。

 僕の曲もはじめて前回の折に採り上げていただ

 きましたが、今回も次の1曲をプログラム中に

 加えていただく事になりました。

 

・マリンバとピアノのための

                    「民謡紀行にしひがし」(1998)

 

・組曲「展覧会の絵」と同様に、最初に現れるプ

 ロムナード主題が旅の案内役となり、北の「会

 津磐梯山」から始まり、ついで「ねんねころいち なんばのいちに」と歌う「浪速の子守唄」

 でしっとりとした陰旋法の世界、そして最後は九州に渡り、賑やかな「おてもやん」で盛り

 上がるメドレーです。「にしひがし」と言うには、やや曲数が少なすぎますが、作曲者の裏

 の狙いは、ピアノで奏される音が、単なる引立て役の伴奏でなく、いかに最初のプロムナー

 ド主題を、マリンバの内容に沿いつつも、自主的に発展・終結させて行くか「相手を立てつ

 つ自分も意を尽くす」そういう処にあり、曲の数だけ揃えて、ピアノを平凡な編曲伴奏役で

 終わらせる気は無かったので、結果的には今のままで、ほぼベストかな、と考えています。

 演奏当日の、デュオのご成功を祈っています。

 

 

[1911] 6月の演奏会(2)

  • 2019.06.22 Saturday
  • 14:58

❖ 高・低、二つの二十五絃と三絃の競演   ・この演奏会は終了しました・事後報告です

・6月14日(金)午後7時開演

・ザ・ハーモニーホール(小ホール)(松本市島内)

 

・松本市で活動を続けている田中静子さんが企画、

 毎年近在の演奏仲間とのアンサンブルを主体に

 しての二十五絃箏の演奏会、今年もヤマボウシの

 白い小花が満開の公園の中の慣れ親しんだホール

 で、充実したプログラムによる演奏会が開催され、

 盛会のうちに終幕しました。本来なら、もっと早

 くに紹介すべきでしたが、5月あたりから体調を

 崩し作業が遅れてしまい、事後報告となりました。

 

・今回採り上げていただいた僕の作品は、

 (1) 二十五絃箏のための箏歌

   「牧水海声譜」(2015)(和歌/若山牧水)

 (2)三重奏曲「青葉の波」(2017)

   の2曲で、田中さんが弾き歌いした(1)は、

   の演奏会で初演されたものですが、今回の再演

   は、音楽がより深く彼女のものとなり、透明な日

 本語らしい発声と相俟って、感銘深いものでした。

 また(2)の作品は、箏と17絃のパートを、それぞれ高/低の25絃が受け持ち、今回の演奏のため

 に、華やかに発展する中間部を新たに付けたので、音楽全体がとてもクリアな響きで、説得力の

 あるものになりました。低音25絃箏の佐藤由香里さんと三絃の有賀喜栄さんのお二人ともに、

 素晴らしい洋楽的な音楽センスを保持しておられ、あまり邦楽的とは呼べないパッセージやリズ

 ムを、難なくこなして下さって、今回の改定初演が成功したこと、心から感謝しています。
 

[1910] 6月の演奏会(1)

  • 2019.06.04 Tuesday
  • 12:46

❖ 小さな美術館で午後のコンサート    ・この演奏会は終了しました・事後報告です

・6月9日(日)午後2時開演

・世良美術館(阪急御影)

 

・関西YMAという企画組織があり、個人の先生

 に就いてこつこつと自分の演奏を磨いている人

 たちが、日頃の成果を定期的に発表する、とて

 も自由な雰囲気の、合同演奏会を主催していま

 す。僕の旧くからの友人のNさんが、長い東京

 生活をきりあげ、数年前に神戸に戻ってきて、

 この会に所属されたので、事後になりましたが

 先日、彼女の歌を聴きに、御影にある洒落た美

 術館でのアットホームなコンサートに行ってき

 ました。

 

・僕自身が歳をとったのと同様、彼女も同じだけ

 加齢して、やはり声量はいささか衰えていまし

 たが、歳月の重みを感ずる情感のこもった良い

 雰囲気の中で、僕の作品を2曲演奏して頂きま

 した。

 

・(1) 「夏の朝」(1994)(詩・垣内磯子) (2)「わが道」(2015) (詩・貞松瑩子)

 

・どちらも全音楽譜出版社刊行の「千秋次郎歌曲集1」に所収されている小品です。(1)の曲は

 すがすがしい夏の朝の景物をうたう、静かな童謡。(2)の曲は、ピアノの他にフルートが加わ

 り「振り向けば 私もうらら 春の風」という、苦難の歳月後の穏やかな老境が歌われます。

 原曲は尺八なのですが、これをフルートに替えたことで、心情が明確に表現されたようです。

[1909] 5月の演奏会(3)

  • 2019.06.04 Tuesday
  • 00:52

❖ 第137回 勤労者音楽会で旧作が             ・この演奏会は終了しました・事後報告です

・5月19日(日) 午後1時開演

・京都市右京ふれあい文化会館 (嵯峨野線花園)

 

・僕が京都岡崎にいた頃から「きんおん」の事

 は、京都府下の民謡を収集・編曲して舞台に

 かける民謡合唱団「篝」カガリの友人を通じ

 て知っていましたが、今回はじめて演奏会場

 に赴きました。というのも、この会の参加常

 連である篝の皆さんが、今回も出演され、し

 かも僕が以前1990年頃に、この合唱団のため

 に提供した京都府の民謡の一つを、ステージ

 で歌ってくださるという事で、伺った訳です。

 

・春秋と年2回の公演で、すでに137回目とか、

 活動の長さに感銘します。独唱・合唱・声楽・

 器楽と種別を問わず、会員の皆さんの日頃の

 成果を発表する交流の場としての働きを担っ

 てこられた事に意義深いものを感じました。

 しかも、今回も3名の講師を招き、演奏会終

 了後に、個々のステージに関しての講評がある

 との事、単なるお祭りでなく芸術創造に真摯に取り組まれている姿勢が印象的でした。

 

・8番目の出番だった民謡合唱団「篝」の曲目は、時間的制約上2曲でしたが、その最初に

 歌われたのが僕の旧作で、

 

男声合唱のための組曲「京木遣り」(1986) から 「ゆりもち音頭」

 

・京の宮大工の人たちの棟建ての際の、いわば儀式歌で、力強いなかに華やかさのある演奏

 は、この曲で会場の雰囲気がまったく変わったかのようでした。そして、これに続く混声

 による丹後町の民謡「海女節」も、知友・林保雄氏の巧みな書法によってとても活気のあ

 る、まさに労働の現場にいる臨場感を覚える名演‥‥‥いつも講評では高得点を獲得して

 おられる篝ですから、今回も会心の演奏だった事と思います。おめでとうございました!

 

 

 

 

 

 

[1908] 新しい作品の完成 (33)「日暮れ野原」

  • 2019.06.03 Monday
  • 23:35

❖ 東京秋の定演のための歌曲

・東京に本部がある「日本歌曲振興波の会」恒例

 の秋の公演は、いつも新作歌曲の発表会となっ

 ていて、数年前から関西に活動の拠点を移した

 僕ですが、名誉会員として今年も新作の歌曲を

 委員会からの指定にしたがって、1曲提供する

 事となりました。

 

・「日暮れ野原」(詩・木村 雄)(2019)

 

・作詩の木村氏とは2年前に「ある警備員の歌」

 (2017) という歌曲で、はじめて知己となった

 会友ですが、今回の作品は、詩型が遥かに長く、

 少年時代への追想が尽きない、清冽な作品です。

 前後に2行宛の序と跋を持ち、それに9行から

 なる2節の本文が挟まっている構成ですが、木

 村氏の巧みな措辞のもと、二つの説は各行が

 それぞれ字数、内容とも見事に対応しあって、

 まさに有節歌曲そのもののような言葉の構造物

 になっています。今回たまたま木村氏の詩篇と

 出会えた事を多とするするものです。いつもよ

り制作に日数がかかって、以降のスケジュールが乱れましたが、幸い4月25日、4'22" に収まる

この曲の完成をみました。この秋11月1日、紀尾井町ホールでの初演が待たれます。
 

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