[2004] 3月の演奏会(1)

  • 2020.02.11 Tuesday
  • 03:13

❖ 異色ユニット「すばる」、この春もまた   ・病災予防のため、演奏会が中止となりました

・3月7日(土)午後2時開演

・京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)

         (中京・丸太町七本松西入ル)

 

・毎年3月頃に定期的に開催されている音楽ユニッ

 ト「スバル」の公演が、昨年に引き続き、多彩な

 プログラムを揃えてこの春も開催の予定です。オ

 ーボエ/ファゴット/箏 という中核となる3人に

 加え、今回はピアノとソプラノの奏者が参加され、

 充実したプログラムを組んでおられます。

 

・そして僕の旧作を今回も採り上げていただき、次

 の2作品が予定されています。

 

 (1)「旅はるか 空いろの夢」(2017)

   (2)「 風の花びら」(歌詞・村田寿子)(2010)

 

・(1) は、2018年公演において初演された作品で、

 オーボエと箏の二重奏曲ですが、今回はこれを

 ファゴットと箏の二重奏で試みます。ファゴット

 特有のユニークな音色が、箏とどのように響きあうのか、とても楽しみです。また、(2)の曲は

 ソプラノの歌唱を箏で伴奏する譜(これが原バージョン)と、ピアノ伴奏による譜(出版バージ

 ョン)があるのですが、今回は原バージョンにオーボエのオブリガートを付け加えた2011年の

 三重奏バージョンで演奏する予定です。僕自身、9年前に行われたはずのトリオ演奏の事が記憶

 から消えてしまっているので、今度の再演を心待ちにしています。

 

・とても残念でしたが、新型コロナの蔓延予防のため、中止の旨、主催者サイドからの連絡が届き

 ました。非常事態なので、止むを得ない決断だと思います。いずれまた満を持しての再演を期待

 しています。

[2003] 新しい出版楽譜 (14) 組曲「ふるさと遠く」

  • 2020.02.10 Monday
  • 11:43

❖ 郷里への想いを尺八・箏の二重奏で

・2018年夏に作曲し、翌年の春に委嘱者・小林

 鈴純氏の郷里のホールで初演、その後、大阪

 東京でそれぞれお披露目演奏が実現した、尺八

 と箏というもっとも身近な邦楽器の二重奏曲が、

 このたびマザーアース版の楽譜として刊行され

 ました。

 

・尺八と箏のための組曲「ふるさと遠く

            Suite, Far-off My Hometown」(2018)

 

・出版社がマザーアースなので、五線譜で書かれた

 総譜(スコア)に、1.都山流尺八譜の付いている

 もの、2.箏の縦譜の付いているもの、の2冊分で

 ワンセットとなりますが、個別の購入も可能です

 (どちらも販価は¥1,700+税)。

 

・組曲としての構成や、各楽章の内容については、

 すでに先行のトピックで紹介していますが、全体

 で通奏して10分に収まる、演奏の容易な組曲です。

 愛奏者の仲間が増えることを期待しています。

 


 

[2002] 新しい作品の完成 (36) 「序の歌」

  • 2020.02.09 Sunday
  • 18:28

❖ 立原道造の名詩を箏の弾き歌いで          

前項[2001]の制作がひとまず完了した昨年12

 月22日、すでに年の瀬の気ぜわしい最中でし

 たが、大掃除もそこそこのまま、すぐにこちら

 の歌曲の制作に着手しました。松本市の楽友で

 25絃奏者の田中静子さんから、夏に依頼を受け

 ていた弾き歌いによる歌曲の作曲、テキストと

 なる詩は、田中さんからの指定で、立原道造の

 「序の歌」にしてほしい、とのこと。幸いな事

 に立原道造の詩は、僕も遥かな昔からヤミクモ

 に好きだったので、二つ返事で請け負った次第

 でしたが、実際には屈折の多い表現で、彼の詩

 の奥行きを思い知る事になりました。正月休み

 を返上しての「労務」でしたが、なんとか年が

 明けて1月7日の深夜に、8分余の箏歌に完成

 する事ができました。

 

・25絃箏のための箏歌「序の歌」

            (詩:立原道造)(2020)

 

・1939年に24歳の若さで没した立原道造、今回の

 箏歌の詞章となった「序の歌」は、彼の死後に編纂され、出版された詩集「優しき歌 ll」

 の冒頭に置かれている詩篇で、彼が好んで用いたソネットという形式で書かれています。

 我々が日常使う判りやすい言葉で、クリアに書かれているのですが、文脈を辿って行くと、時に

 難解な飛躍に遭遇し、優しい言葉の草むらの中で立ち止まってしまう、そのような不思議な影を

 伴っている詩篇です。自分が発する言葉、つまり自分そのものであると同時に、自分から離れて

 行く他者である「詩の言葉」に対する深い愛着、ほとんどナルシズムに近い情感が、この4節の

 詩型に託されていると、僕は予感するのですが、これを音楽としてまとめるに際しては、ソネ

 ットの持つ A-A-B-B という形式感から外れて、むしろ 音楽の冒頭に現れるモチーフを最後まで

 幾度も回帰させる、いわばリトルネロ(しいて書けば A-A-B-A に近いような) 形式でまとめてみ

 ました。全体の長さは約8分程度、田中さんが希望しておられた時間の長さに収まりました。チ

 ラシが刷り上がったら、再度また演奏会のご紹介をする積りです。ようやく数日前に浄書が終わ

 ったので、譜面の冒頭をご覧いただく次第です。 

[2001] 新しい作品の完成 (35) 「野菊路」

  • 2020.02.06 Thursday
  • 16:56

❖ 独奏箏のための組曲の、第2曲として

・この曲は、すでに昨年12月下旬に作曲が完了

 していたのですが、譜面の清書が大幅に遅れ、

 ようやくのご紹介となりました。

 

・独奏箏のための「野菊路」(2019)

 

トピック [1727] に掲げたように、僕は数年前

 箏演奏家・福原左和子さんのために、

 

独奏箏のための「桜落葉」(2017)

 

  という小品を書いているのですが、これとペア

  になる曲をいずれ作曲しようと思っていました。

  ずいぶん日が経ってしまいましたが、ようやく

  昨年末に時間が取れたので、何日かを費やし、

  野菊をテーマにした新曲を完成しました。桜と

  菊、もっとも桜といっても、これは晩秋の紅葉

 した桜の落葉なので、季節的には秋なので、組曲

「ふたつの秋景色」というタイトルを、この2曲

 のセットに付けてもいいかなと、考えています。

 

・2曲とも、それぞれが約4分ほどの長さで、A-B-A を基本とする3部構成。箏の調弦も、前後

 の曲で大幅に変わることがないように配慮し、弾きやすく・聴きやすい一対にまとめました。

 日本的な情趣を留めている「桜落葉」に対し、「野菊の続く歩道」は日本情趣にこだわらない

 穏やかで爽やかな午後の明るさ。‥‥‥将来、誰かさんの愛奏曲になれれば嬉しいことです。

 

・なお、この曲は来る6月5日(金)松本市ハーモニーホールにおいて、楽友の田中静子さんによって

 25絃箏バージョンのかたちで初演される予定です。

 

 

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