[2008] 4月の演奏会(2)
- 2020.03.10 Tuesday
- 04:06
❖ あれから4年、満を持しての第11回定演 ・残念ながら、この演奏会は延期となりました
・4月26日(日)午後2時開演
・秋篠音楽堂(近鉄大和西大寺駅北口)
・4年前になりますが、WEB上で僕は初めて
古都奈良が本拠地の合奏団、まほろばフルー
ト・オーケストラの存在を知り、10回目の定
演に「お忍び」で伺ったのですが、そのとき
演目に加えられていたのが、僕の旧作の合奏曲
「風の忘れもの」(1994)でした。終演後に楽屋
へ挨拶に行き、その折に、別のフルート合奏曲
の手書きの譜面を記念に差し上げて帰宅、それ
以来この晩のことを僕はすっかり忘れていまし
た。‥‥‥4年間が過ぎ、つい最近になって、
思いがけず、合奏団から第11回定演の招待状が
届き、その演目の中に、すっかり忘れていた
この作品が加えられている事を知りました。
・フルートオーケストラのための
「追憶の季節」(2014)
・未出版ですが、初演以来すでに大阪・東京・名古屋などで再演されている愛奏的な小品‥‥‥
懐かしい思い出・悲しい思い出、心の中を行き交う過ぎし日の情感を、簡潔にA・B・A の
3部構成でまとめてみました。Aの主部は2つの主題を持ち、中間部のBにも別の主題が現れ
るので、この作品は3つの主題から構成されているわけですが、それぞれ異なった表情を持つ
3つの主題には共通して特定のモチーフ(原動機)が内包されていて、全体を緊密にまとめて
います。全体の核となる、そのモチーフは、譜面で書けば実に単純なのですが、言葉で書けば、
ある音から完全4度高い音へ跳躍し、そこで再度その音を繰り返す、たとえばミララー、とか
レソソーのような音の連なりが、この曲のいわば「細胞」として、生き続けます。また、ポリ
フォニックな主部Aに対して、中間部Bは素朴なホモフォニック様式で書かれているのも、特徴
の一つかも知れません。
・音楽に詳しい人のために、解説が長々となりましたが、この第11回定演の本命は、僕の曲などで
はなく、今回のために作曲された、著名な酒井格氏の委嘱作品「こひすみつやま」の初演です。
僕自身も、その新作を聴かせてもらうのが愉しみで、氏の作品から大いに学び、啓発を受けたい
と期待しています。それと、第2部を飾るベートーヴェン交響曲第7番のフルートオーケスト
ラ・バージョン(確か前回はメンデルスゾーン第4番イタリアでしたね)‥‥‥4年間もの時間を
かけられ、満を持しての今回の公演、ご成功を心から祈っています。
・去る3月30日の日付で主催者側からのご連絡があり、今般の新型コロナウイルスの病災のため、
会場が使えず、やむなく公演を延期し、今秋10月31日に、同じ会場・同じ内容で、改めて開催
される旨のご案内をいただきました。4月下旬だったら何とか可能かな、と内心期待していたの
ですが、その後の予想外の感染拡大というパンデミックな成り行きでは、やはり4月はハードル
が高すぎたようですね。今回はほんとに、止むを得ないご決定だったと思います。再度、満を持
しての秋の公演に、さらなる期待をかけたいと思っています。いずれまた、近づいたら、チラシ
とともにご案内させて頂く予定です。ご支援どうかよろしく!