[2003] 新しい出版楽譜 (14) 組曲「ふるさと遠く」

  • 2020.02.10 Monday
  • 11:43

❖ 郷里への想いを尺八・箏の二重奏で

・2018年夏に作曲し、翌年の春に委嘱者・小林

 鈴純氏の郷里のホールで初演、その後、大阪

 東京でそれぞれお披露目演奏が実現した、尺八

 と箏というもっとも身近な邦楽器の二重奏曲が、

 このたびマザーアース版の楽譜として刊行され

 ました。

 

・尺八と箏のための組曲「ふるさと遠く

            Suite, Far-off My Hometown」(2018)

 

・出版社がマザーアースなので、五線譜で書かれた

 総譜(スコア)に、1.都山流尺八譜の付いている

 もの、2.箏の縦譜の付いているもの、の2冊分で

 ワンセットとなりますが、個別の購入も可能です

 (どちらも販価は¥1,700+税)。

 

・組曲としての構成や、各楽章の内容については、

 すでに先行のトピックで紹介していますが、全体

 で通奏して10分に収まる、演奏の容易な組曲です。

 愛奏者の仲間が増えることを期待しています。

 


 

[2002] 新しい作品の完成 (36) 「序の歌」

  • 2020.02.09 Sunday
  • 18:28

❖ 立原道造の名詩を箏の弾き歌いで          

前項[2001]の制作がひとまず完了した昨年12

 月22日、すでに年の瀬の気ぜわしい最中でし

 たが、大掃除もそこそこのまま、すぐにこちら

 の歌曲の制作に着手しました。松本市の楽友で

 25絃奏者の田中静子さんから、夏に依頼を受け

 ていた弾き歌いによる歌曲の作曲、テキストと

 なる詩は、田中さんからの指定で、立原道造の

 「序の歌」にしてほしい、とのこと。幸いな事

 に立原道造の詩は、僕も遥かな昔からヤミクモ

 に好きだったので、二つ返事で請け負った次第

 でしたが、実際には屈折の多い表現で、彼の詩

 の奥行きを思い知る事になりました。正月休み

 を返上しての「労務」でしたが、なんとか年が

 明けて1月7日の深夜に、8分余の箏歌に完成

 する事ができました。

 

・25絃箏のための箏歌「序の歌」

            (詩:立原道造)(2020)

 

・1939年に24歳の若さで没した立原道造、今回の

 箏歌の詞章となった「序の歌」は、彼の死後に編纂され、出版された詩集「優しき歌 ll」

 の冒頭に置かれている詩篇で、彼が好んで用いたソネットという形式で書かれています。

 我々が日常使う判りやすい言葉で、クリアに書かれているのですが、文脈を辿って行くと、時に

 難解な飛躍に遭遇し、優しい言葉の草むらの中で立ち止まってしまう、そのような不思議な影を

 伴っている詩篇です。自分が発する言葉、つまり自分そのものであると同時に、自分から離れて

 行く他者である「詩の言葉」に対する深い愛着、ほとんどナルシズムに近い情感が、この4節の

 詩型に託されていると、僕は予感するのですが、これを音楽としてまとめるに際しては、ソネ

 ットの持つ A-A-B-B という形式感から外れて、むしろ 音楽の冒頭に現れるモチーフを最後まで

 幾度も回帰させる、いわばリトルネロ(しいて書けば A-A-B-A に近いような) 形式でまとめてみ

 ました。全体の長さは約8分程度、田中さんが希望しておられた時間の長さに収まりました。チ

 ラシが刷り上がったら、再度また演奏会のご紹介をする積りです。ようやく数日前に浄書が終わ

 ったので、譜面の冒頭をご覧いただく次第です。 

[2001] 新しい作品の完成 (35) 「野菊路」

  • 2020.02.06 Thursday
  • 16:56

❖ 独奏箏のための組曲の、第2曲として

・この曲は、すでに昨年12月下旬に作曲が完了

 していたのですが、譜面の清書が大幅に遅れ、

 ようやくのご紹介となりました。

 

・独奏箏のための「野菊路」(2019)

 

トピック [1727] に掲げたように、僕は数年前

 箏演奏家・福原左和子さんのために、

 

独奏箏のための「桜落葉」(2017)

 

  という小品を書いているのですが、これとペア

  になる曲をいずれ作曲しようと思っていました。

  ずいぶん日が経ってしまいましたが、ようやく

  昨年末に時間が取れたので、何日かを費やし、

  野菊をテーマにした新曲を完成しました。桜と

  菊、もっとも桜といっても、これは晩秋の紅葉

 した桜の落葉なので、季節的には秋なので、組曲

「ふたつの秋景色」というタイトルを、この2曲

 のセットに付けてもいいかなと、考えています。

 

・2曲とも、それぞれが約4分ほどの長さで、A-B-A を基本とする3部構成。箏の調弦も、前後

 の曲で大幅に変わることがないように配慮し、弾きやすく・聴きやすい一対にまとめました。

 日本的な情趣を留めている「桜落葉」に対し、「野菊の続く歩道」は日本情趣にこだわらない

 穏やかで爽やかな午後の明るさ。‥‥‥将来、誰かさんの愛奏曲になれれば嬉しいことです。

 

・なお、この曲は来る6月5日(金)松本市ハーモニーホールにおいて、楽友の田中静子さんによって

 25絃箏バージョンのかたちで初演される予定です。

 

 

[2000] 2020年、今年もよろしく!

  • 2020.01.16 Thursday
  • 17:08

❖ 新年あけまして おめでとうございます。ペースを少し落としますが、本年も宜しく!

 

・すっかり遅れ遅れの新年ご挨拶となりました。自分のバランス感覚から言っても、物事

 が時節に乗りそこねるのは、みっともない話、我ながらきまりが悪い事態なのですが、

 期限の迫っていた友人からの委嘱の作曲に、なかなか着手できぬまま、年の瀬近くと

 なってしまい、意を決して元旦を挟む前後ずっと仕事場に”お籠り”して、制作に没頭し

 ていました。紅白の後半すこしと「ゆく年くる年」の冒頭の薬師寺をチラ見した程度で

 2020年に入っていました。‥‥‥何とか、独奏25絃のための「野菊路」なる独奏曲と

 立原道造の詩によるソネット「序の歌」の弾き歌いによる25絃のための箏歌の2作品が

 年を挟んだ前後に完成しました。シミュレーション・データはできているのですが、譜

 面の清書がまだ完了してないので、作品については、後日のご紹介となりますが、とも

 あれ漸く肩の荷が降りた思いです。例年のごとく、質素な(と言うよりも貧相な)終戦

 直後スタイルの雑煮・お節、客なし亭主独りの初釜(千鳥屋の花びら餅ともに)など、

 型通りに正月を過ごしましたが、用務に追われたおかげで、自堕落な寝正月にならず、

 身を律しきれたのは、せめてもの功徳でしょうか。ともあれ、旧年中の、拙いブログを

 訪れていただいたご好意に感謝、本年もご交誼のほど宜しくお願い申し上げます。

 

・年を追うごとに、自分の知己・楽友が遠くへ旅立った訃報を受けることが数多くなりまし

 た。一昨年はソプラノの内藤千津子さんを見送り、なかなか辛い思いをしましたが、昨年

 もまた、自分にとっては殊更に辛い二つの訃報に接しました。一つは、これまで関西波の

 会において、活動を共にしてきた作曲の玉井 明相談役が、昨年12月に鬼籍に入られました。

 長年に及ぶ療養の末のことですが、病状の苦痛を顔に出されず死の直前まで作曲に向き合っ

 ておられた氏の壮絶とも呼べる人生に、今も心揺さぶられます。ただ、幾つかの歌曲作品は

 これまでも数多くの歌手の皆さんに歌われていて、今後も我々の会で、心して歌い継いで行

 こうと皆が思っていますから、作曲家としての栄光はすでに手にされたも同然です。同じ作

 曲仲間の一人として、氏のご冥福を祈るばかりです。

 

・自分にとってもう一つの辛い出来事は、もう30年以上も芸術仲間として交際してきた染色工

 芸家で池坊短大の教授だった松原緑さんが、少し前から内臓の疾患を指摘されて療養中だっ

 たのですが、親戚のお墓参りの暑い夏の道で卒倒されて、手厚いリハビリの甲斐も無く昨年

 11月に亡くなられたことです。その事を家族の方から僕は年末近くに聞き及んだのですが、

 77歳だったとか、僕より8歳年下だった事になります。これまでにも「京都夏過ぎてのち」

 「高台寺・萩のえにし」「七つの遠い思い出」「銀河はるか」など(他にもあるのですが)

 青花社譜房から出版した僕の楽譜に、素敵な表紙絵を提供していただいた、感性のすぐれた

 美術工芸家でした。ほんとに惜しい方を失い、今もなお辛い思いですが、これらの素晴らし

 い形見こそ、これからも彼女を偲ぶ「よすが」となる事でしょう。

 

・新年早々から死者について語るのは本意ならずながら、幸か不幸か僕自身は、まだ少し生き

 延びていそうなので、制作のペースは落としつつ(これは否応なしに、昨年からの傾向です)

 今年も頑張って、自分の歌を歌ってゆくつもりです。ブログを通してのご支援 なにとぞ今年も

 宜しくお願い申し上げます。                        千秋次郎 

[1934] 12月の演奏会(5)

  • 2019.12.14 Saturday
  • 23:10

❖ 楽しいピアノ変奏曲をアンコールに        ・この演奏会は終了しました

・12月22日(日)午後2時開演

・原宿カーサ・モーツァルト

     (渋谷区神宮前1丁目/原宿教会通り)

 

・「クリスマスに寄せて」と題してのサロン・

 コンサートの案内を、かつての東京での楽友

 から頂きました。これまで東京での歌曲新作

 演奏会の時などにお世話になったことのある

 ピアニスト・片岡和子さんが、このたび初め

 てソロでのサロンコンサートを持たれる由、

 もっとも特別出演という形で、師匠格の本宮

 寛子さんに賛助出演を依頼されての演奏会と

 なるのですが、以前僕が彼女に差上げていた

 いかにもアットホームでお洒落なピアノ小品

 を、モーツァルト、シューベルト、シューマ

 ンなどの親しみやすい曲目に加えて、弾いて

 下さるとの事、この思いがけないニュースに、

 作曲者としてはただただ嬉しく、感謝です。

 

・もう58年も昔のこと、僕のバイト先だった

 京都のバレエ教室の発表会にために書いた(書かされた?)記憶があるピアノの変奏曲;

 

・「雪」の主題による変奏曲 (1961)

 

・誰でも知っている文部省唱歌(雪やこんこ、あられやこんこ‥‥‥)16小節のメロディを

 もとに、序→主題→第1変奏から第10変奏→最後の第11変奏(コーダを兼ねる)なる構成

 の、演奏約7分の変奏曲。単純明快ですが、単に2拍子の旋律を3拍子に移し替えてワルツ

 めかしたただけと言ったような、手抜きで、だらしない音符は一箇所もありません。シュー

 マン好みの音型や初期のドビュシーをかすめてゆく音響はありますが、基本的には、メロデ

 ィーの最初、ソーラーソーラーソーミ の、ソーラーソという最初3つの音型を、この曲の

 動機(モチーフ)として、いわばハイドン風に愉しんでいるのが、この曲の取り柄でしょうか。

 お客様を愉しませると同時に、演奏者も愉しんで、雪の止んだ朝を迎えてください。ご成功を

 祈ります!

 

・演奏会には行けませんでしたが、後日ほどなく片岡さんからのメールで、無事にサロン盛会の

 中で終了したとの事、僕の曲はとても好評だったので、来月新年に予定されている別のステー

 ジでも再演させてほしい、との嬉しい報せでした。58年も昔の拙い「若書き」を愛好してくだ

 さる方が、現在もゼロではない事を知り、音楽を続けてきて良かったな、と感慨ひとしおです。

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