[1808] 4月の演奏会(1)

  • 2018.03.21 Wednesday
  • 14:00

❖ 楽友の記念演奏会へのお祝いに     ・この演奏会は終了しました

・4月8日(日)昼12時30分開演

・兵庫県立芸術文化センター

     KOBELCO大ホール(阪急西宮北口)

 

・楽友として10年余に及ぶ、二代狩屋春樹さん

 は、父君の初代狩屋春樹氏の跡目を注がれて、

 今も多くの門下を育成しておられますが、今

 年は初代生誕100年との事、それを記念して

 の意欲的な定期演奏会を、兵庫芸文大ホール

 において間もなく開催されます。同時にこれ

 は二代春樹さんの継承30周年でもあるとの事、

 重なっての祝儀です。

 

・すでに昨年夏ごろ、この日のために新曲を書

 いてほしいとのご相談を受け、秋10月下旬に

 次のようなタイトルの小品を完成しました。

 

・三絃・二十絃・十七絃のための三重奏曲

                   「青葉の波」(2017)

 

・室町時代末の大和国の領主・十市遠忠が詠んだ青葉の和歌にインスパイアーされて、この曲

 を作曲した経緯は、すでにトピック[1734]でお伝えしていますが、季節が夏へと向かう頃の

 緑の色も鮮やかな青葉若葉、風に乗って波のようにうねり広がる繁茂の目出度さを、音楽に

 しました。ささやかながら、信頼する楽友への「お祝い」として献呈しようと思います。

 

・初代生誕100年/二代継承30周年を記念しての特別演奏会という名に恥じない、大ホールを

 ほぼ満員に埋めての立派な演奏会でした。プログラム前半すべて初代狩谷氏の4つの作品が

 占め、後半の6ステージの内、3ステージは二代狩谷さんの作品、中間をつなぐものとして、

 唯是震一氏、中村茂隆氏、それに僕の作品が花を添える形で加わりました(主演の箏奏者の

 体調不良で、やむなく唯是氏の作品が演奏できなかったのは残念でしたが)。舞台の最後を

 飾った二代狩谷さんの「魅せられてシリーズ」は、それ自体が3つの大きなパートから構成

 されている意欲的な舞台で、二重奏、三重奏の室内楽的な舞台から、約100名近い門下生や

 尺八奏者が居並ぶ大合奏まで、よくもここまで指導を重ねて来られたものだと感服しました。

 破綻なくぶじに最後のステージまでご成功された快挙に、心からの賛辞を送ります。

 

・今回の記念演奏会のために、わざわざ僕へ委嘱を指名していただき、とても光栄な事でした。

 古歌にもとずく「青葉の波」という小品を祝儀させていただきましたが、素晴らしい三人の

 息のあったアンサンブルのお陰で、完璧な初演をこの大ホールで響かせていただき、感謝し

 ています。大合奏の豪華さには及びませんが、三重奏の室内楽としてはそれなりの緊迫感も

 あり、自分としてはとても満足しています。この種の邦楽演奏会において、8分の9拍子と

 いうリズムで演奏される曲もレアなので、短いながらも、聴衆の方々には新鮮に聴いていた

 だけた事と思っています。狩谷先生、ほんとに有難うございました。

 

 

 

 

 

 

 


 

[1807] 新しい出版楽譜(13)

  • 2018.03.17 Saturday
  • 18:07

❖ 1年半後となった後巻の出版      

・2016年の秋に出版した「千秋次郎歌曲集1」

 に引き続いて、後続の第2巻

 

・「千秋次郎歌曲集2」(全音楽譜出版社刊)

                           (120ページ / ¥2,900+税)

 が先月中旬に刊行され、作曲者の自選による

 全32曲の歌曲を2巻に配した歌曲集が、ここ

 に漸く完成しました。僕のようなローカルで、

 無名にひとしい者の作品を発刊してくださった

 (株)全音楽譜出版社のご厚意に、今はただただ

 心から感謝しています。

 

・この第2巻に収録されている曲目は、項を改め

 下方の広い紙面でお伝えしますが、これまで所

 属していた日本歌曲「波の会」で発表・初演し、

 全音楽譜出版社「波の会・日本歌曲集シリーズ」

 (色んな名称で発刊されています)に分散収録さ

 れた僕の作品を、取り出して一括掲載したのが

 この第2巻の大部分を占めています。前巻と同

 数の16作品、それらを出版譜の曲順ではなく、

 作曲年の古い方から順に、曲名/作詩者名/作曲年のセットで配列すると:

  (1) 海を待つ/宮中雲子          1988

    (2) 谷底の松のこと/河野 律         1989

    (3) 虹/狩野敏也             1989

    (4) 愛と風/御木白日               1990

    (5) まんだらげの花/矢柴うた子      1991

    (6) ゆうなみ/小川淳子            1991

    (7) 花あかり/相馬梅子          1992

    (8) 手のひらの地図/宮田滋子       1993

    (9) 雪と椿/小川淳子           1995

    (10) 言葉は鳥/笠原三津子         1998

    (11) 桐壺/友永淳子            1999

    (12) 霧のうた/西岡光秋          2007

    (13) 冬へのオード/貞松瑩子        2007

    (14) 河/香山雅代             2007

    (15) 花水木の手紙/吉田義昭        2016

    (16) 夏の終り/杉本秀太郎         2017

 

・第1巻と第2巻で互いに補填しあって、ほぼ毎年のように歌曲作品を書いていたことが判るの

 ですが、それでも2000年から2005年にかけては、声楽作品ばかりでなく他のジャンルの制作

 にあっても作品数が減少していて、やはり自分にも制作の波があったことに気付きます。

 

・上記16作品の中で、今回初めて譜面として公開されるのは (2)(4)(14)(15)(16)の5作品です。

 残りの11曲は、前記のように、すでに刊行されている出版譜に収められていますが、演奏に際

 してのヒントになるかも知れない作曲者の率直なコメントが付記されているのは、これらが最初

 でしょう。なお、この楽譜はすでに発売され、全音楽譜出版社の広報にも宣伝されています。

[1806] 2月の演奏会(1)

  • 2018.01.27 Saturday
  • 12:37

❖ FM放送での作品演奏                                 ・この放送は終了しました

・2月7日 am 11:20〜11:50

・2月8日 am 05:20〜05:50 (再放送)

・NHK FM(大阪)  「邦楽のひととき」

 

・僕にとってこういう体験は、もう10年以上も

 以前に、自分のテューバ作品が放送された時

 以来の出来事なので、専用の分類タグもなく

 仮に「演奏会予定」として紹介させていただ

 きますが、思いがけない機会を得ました。

 

・すでに演奏会が終了しましたが、昨年12月の

 第29回「関西邦楽作曲家協会作品発表会」で

 皆様に聴いていただいた僕の曲が、当日来場

 されていたNHKの邦楽担当者の方の関心を呼

 んだらしく、来月のFM番組「邦楽のひととき」

 で紹介されることになりました。

 

・ひらのりょうこの朗読詩による「おゆき」

                   (2000)

 

・そのような訳で、今年に入っての15日に、演奏者の梶寿美子さんがNHKのスタジオに収録に

 行ったり、数度にわたる過去の再演資料を提供したり、やや慌ただしく過ごしました。しかし

 障害者の梶さんにとっても、良い体験になったことと喜んでいます。また、この作品の背後に

 流れている「反戦平和」という、詩人・ひらのさんの重いテーマが、放送という媒体を介して、

 果たしてどのように伝わるか、この「箏の弾き語り」に作曲者も期待しています。

 

・外部の音が漏れたり、音響には不満が残る朝日生命ホールでなら、何となく良いように聞こえ

 ても、正規の設備によってスタジオ録音されたものは、果たしてどのように聞こえてくるのか、

 実のところ不安でもあったのですが、当日ラジカセから流れてきた「おゆき」は、作曲者の耳

 にも心地よく、前日までの心配を払拭してくれました。箏の梶さんにとっても、スタジオ録音

 は初体験だったかも知れないのですが、能くプレッシャーに耐え、伸びやかな演奏を聴かせて

 くれました。すっかり彼女の心の中に同化しているという印象です。箏の手に、2箇所ほどヌ

 ケがありましたが、そんな事が気にならないほど、音楽が自然に流れてよかったと思います。

 作曲者として特に感じたのは、この曲に何度か現れる上行または下降のグリッサンド‥‥‥

 彼女の演奏では、語りの場面場面でグリッサンドの表情が異なっていて、安易に無表情に乱用

 されがちなこの手法を、彼女は見事に音楽の内容に結びつけて演奏していました。終わりの方

 の冬の夜のシーンでは、まるでハープのような丸いサウンドで、外は寒く部屋の中はほの暖か

 い懐かしい空気が、表出されていました。これはまさに、彼女の手柄テガラです。ほんとに、

 お疲れ様でした!なお、今回のことに関して大変お世話になったNHKのスタッフの方々にも

 心からの感謝を伝えたいと思います。有難うございました。

 

[1805] 3月の演奏会(1)

  • 2018.01.23 Tuesday
  • 23:08

❖ 2年ぶり3度目の郷土オペラ公演            ・この演奏会は終了しました

・3月4日(日)午後2時開演

・かつらぎ総合文化会館 大ホール

       (和歌山県かつらぎ町・丁ノ町)

 

・今回3度目の公演のために、主催者からの要

 請を受け、2曲の追加分アリアを作曲した事

 を、すでに昨年夏のブログでお伝えしました

 が、いよいよ公演日が近くなって来ました。

 

・第3回 紀州かつらぎ ふるさとオペラ

                  「横笛の詩」(2012)

 

・「平家物語」には歴史に翻弄された人々の悲し

 いエピソードが多く語られていますが、身分と

 いう格差の壁にはばまれて互いの愛を成就でき

 なかった男女の人生を描いているのが、この、

 斎藤時頼(滝口入道)と横笛の悲恋物語です。

 

・恋人と別れた斎藤時頼が僧侶となって修行した

 高野山の麓の、ここ、かつらぎ町天野アマノの

 里には、同じく尼となった横笛の墓址をはじめ、数々の伝承が伝えられていて、地元の文芸家

 で、初演以来ずっと企画・脚本・演出を担当しておられる防野宗和氏が、仕掛け人となって、

 5年前に市民参加型のこのオペラを初演して以来、隔年に一度の割合で、再演が行われていま

 す。そして再演の都度、防野氏の新しい演出が追加され、2015年の第2回公演では、高野山

 の(現役の)若手僧侶の皆さんによる供養法要が開幕と終幕の時点で加わり、今回はさらに、

 絶望に打ちのめされた横笛の妄執の邪念が、やがて悟りへの道に導かれて行くという過程を、

 能面をつけた所作事で表現するという演出に変わったとの事です。

 

・今回も、郷土の皆さんの熱心な協力のもと、大盛会となって成功するよう、作曲者としての

 自分も、心から祈っています。

 

・まさに天も味方してか、快晴の青空、爽やかな気温、この春はじめての美日となりました。

 いつもながら大勢の地域の皆さんが幾重にも列ばれて、開場時刻を待っておられました。開

 演の頃には、約1000名余の座席がほとんど埋まり、かつらぎ町長のご挨拶のあと、客席灯

 が落ちて、高野山からの僧侶の方による声明(読経)を先導に、まるで神聖劇のような趣き

 の中でのオペラ開幕となりました。

 

・すでに書き記したように、今回の第3回公演に際しては、これまでの演出に加えて、後半の

 妄念から浄心にいたる横笛の心理状況を、前半は般若、後半は小面コオモテの能面をつけた

 役者が横笛に立ち添って、所作舞を行うという、これまで見た事のない不思議な夢幻空間を

 演出されました。しかも、それが前後につながる僕の音楽と、決して木に竹をつないだ感じ

 にならず、自然な成り行きで、横笛のアリア「嵯峨の奥里」に移って行ったのは「離れわざ」

 に近く、ただただ防野宗和氏の創意に敬服しました。やや湿りがちになる第2幕で、この

 シーンは大きな見せ場になったと思います。

 

・昨年8月頃から追加アリアの作曲に関わっていた今回の公演、おかげさまで大声援の中で

 無事に幕を降ろしました。公的援助なしには実現不可能な企画なので、毎年という訳には

 行かなでしょうが、次第に地域に定着しつつあり、嬉しい手応えを感じました。観客の皆

 様をはじめとして、関わりのあった全ての方々、公的機関に感謝の意を捧げます。

[1804] 1月の演奏会(4)

  • 2018.01.15 Monday
  • 21:35

❖ 郷里の福井市でも再演の思いがけぬ報せ  ・この演奏会は終了しました

・1月19日(金)午後7時開演

・福井新聞社 風の森ホール (大和田2丁目)

 

・昨年最後のお報せとなった東京での演奏会と同

 様、これも昨年の年末になって判ったのですが、

 僕の生れ故郷である福井市でも、クラリネット

 と箏による旧作が演奏される予定です。

 

・クラリネットと箏のための組曲

             「巷歌拾遺」(1994)

 

・演奏者は福井市で活動を続けておられる著名な

 お二人で、クラリネットの中曽根有希さんには、

 すでに3年前に、フルートと箏のために書いた

 「空いろの初夏」(2015) を、クラリネット・

 バージョンとして初演してもらっています。

 

・福井新聞社が主催する隣接の演奏会ホールでの、

 「ちょっと素敵な音楽会」の1月例会で、上記

 の作品を採り上げて演奏してくださいます。

 

・この曲は4つの楽章のうち、第3楽章で不思議な調弦による箏を要求するので、どうしても

 箏を2面要求するのですが、昨年の東京では準備の都合で、やむなく第3楽章をカットして

 演奏しました。今回は、特殊箏も用意してくださって、全楽章を演奏されるとのこと、期待

 するところ大です。そしてこれを機会に、久しく音信の絶えている福井市の音楽家の皆さん

 とも交流を増やしたいと願っています。当日は猛吹雪などにならずに、最終サンダーバード

 で帰阪できるよう、今から平穏な天候を期待しています。

 

・天候はまさに幸いしました。数日前に降った大雪が、空き地のあちこちに積み上がっている

 ものの、当日は薄陽のする晴で、風も弱く、福井新聞社本社に隣接する「風の森ホール」へ

 開場前に伺う事ができました。定員300席の小ホールながら何ともアットホームで心地よく、

 お目にかかるのは今回が初対面の、演奏者の皆さんや、新聞社のスタッフの方に挨拶し、す

 でに予約満席となったホールで、僕も福井の市内に住む従妹と一緒に開演を待ちました。

 

・演奏会は予期した通り、とてもムードのある親しみやすいプログラムでした。中曽根さんの

 お宅に代々伝わる婚礼のときの豪華な打ち掛けを、演奏者お二人とも身にまとい、いかにも

 正月公演にふさわしい「春の海」からステージが始まりました。もっとも、ここでは、箏と

 尺八ではなく、箏とクラリネットというバージョン、そして2番目の演目が組曲「巷歌拾遺」

 の全4曲を、中曽根さんのトーク解説を前置きにして、見事に演奏してくださいました。リ

 ズム感の良いお二人なので、早い楽章も難なく突破され、印象に残る幕切れでした。

 

・すでに座席をリザーブした特急サンダバに乗るために、従妹の車で駅まで送ってもらったの

 で、後半の演目は聴けずに会場を後にしましたが、一昨年11月のハーモニーホールふくい

 での奏会から約1年ぶりの故郷での公演‥‥‥僕にとっても良い思い出となりました。演

 奏者や新聞社の皆さんとは、いずれ期日を改め、ゆっくりお目にかかりたいと思っています。

 

 

 

 

 

 


 

[1803] 1月の演奏会(3)

  • 2018.01.09 Tuesday
  • 11:50

❖ 好評にこたえてのアンコール公演    ・この演奏会は終了しました

・1月13日(土)午後7時開演

・東京タワー大展望台club333(港区芝公園)

 

・昨年の暮れに開催された第2回東京タワー文

 化フェスティバルには、僕も参加して北欧の

 カンテレと箏による新作を提供させて頂きま

 したが、今回そのスペシャル版として追加公

 演がマリンバ・ピアノ・箏という編成で開催

 される事となり、僕の小品も採り上げて頂く

 事になりました。

 

・マリンバとピアノのための組曲

 「四季の花そして花言葉」(1989) より

                     第4曲「ポインセチア」

 

・クリスマスの季節を華やかに彩るポインセチア、

 その花言葉は「祝福」。組曲のラストを飾る流

 麗な6拍子の曲ですが、中間部には賛美歌119

 「ああベツレヘムよ」のメロディーが、ピアノ

 の右手に「かげうた」として重なり、季節感を

 盛り上げる楽しい曲です。残念な事に当日は、京都での演奏会とも重なって、会場には伺え

 ないのですが、お二人のご成功を祈っています。

 

・主催者からのご連絡で、万事つつがなく終了したとの事でした。次にはぜひ4楽章(つまり

 春夏秋冬とも)を演奏して頂きたいものです・

[1802] 1月の演奏会(2)

  • 2018.01.07 Sunday
  • 23:36

❖ 歴史建造物での演奏会                           ・この演奏会は終了しました

・1月21日(日)午後2時開演

・岸和田市立 自泉会館ホール(岸和田城北東)

 

・岸和田市と市文化事業協会共催による恒例の

 新春邦楽コンサートが今年も開催されますが、

 その一環として、昭和7年建造の古色ゆかしい

 自泉会館で、和洋合奏による演奏会が予定され

 ています。この席上で、通常のピアノ伴奏によ

 る歌唱に尺八が加わった僕の短い歌曲が再演さ

 れます。

 

・「わが道」(詩・貞松瑩子)(2015)

 

・この曲は一昨年6月に西宮ルーテル教会で狩屋

 瑠美さんがが再演してくださったのですが、そ

 の演奏を聴かれて、今回の尺八奏者・小林純鈴

 氏が特に関心を持たれ、当日のプログラムに取

 り入れて下さいました。思いがけない出会いに

 感謝しているところです。

 

・しかも更に思いがけない事に、この曲のピアノ伴奏で賛助出演してくださるのが、僕の勤務

 していた大阪芸大時代の同僚だった教授・宮前勝代さんです。ご退職後の現在も地元・和泉

 地域を拠点に幅広い演奏活動をされており、なかでも歴史的建造物の中で、その環境に相応

 しい演奏会をシリーズで企画されるなど、地域生活との接点を大切に活動を続けておられま

 す。城と濠を持つ文化都市・岸和田での今回のコンサート、僕も小林師匠へのご挨拶や宮前

 教授との久々の再会を愉しみにしています。

 

・このところの寒気襲来の悪天候の中では、珍しく青空から陽射しが降り注ぐ好天となり、岸

 和田城の天守閣も清々しく、くっきりと印象に残りました。写真で見た通りの古風で大切に

 使いこまれた集会ホール、100名にも満たない会場でしたが、地元の年配の方が多く来聴さ

 れ、尺八の小林鈴純氏が司会役も兼ねて、サービス過剰にならない簡潔なトークで、全6曲、

 これまた腹八分目のちょうど良い長さの演目を聞かせていただきました。どのステージもレ

 ベルの高い演奏で、ことに難曲の「さらし幻想曲」(中能島欣一)など、スキのない圧倒的

 な豪演でした。また1曲目に聴いた古典「千鳥の曲」は、僕はこれまで冒頭の陽旋法による

 主題の印象が、あまりにアッケラカンとしているので、あまり身を入れて聴いた事がなかっ

 たのですが、箏と尺八との合奏で(もちろん歌入りで)、冒頭こそやや大味ながら、その後

 展開する手事の場面など、微をつくし妙をつくしたセッションが予想外に面白く、古曲の真

 価を改めて見直しました。後半の最初に演奏された僕の「わが道」には、かつての芸大での

 同僚だった宮前先生のピアノで、ソプラノの角野さんが歌われ、これにさらに尺八がオブリ

 ガートで加わるという、まさに和洋融合の世界を、お三人の解釈で、見事に表現していただ

 き、技術的には平易な作品なのですが、自曲ながらとても味わい深く聴かせていただきまし

 た。このような催しを将来ぜひまた企画して頂きたいし、僕自身もまた作品を提供させてい

 ただきたく、期待しています。ほんとに、皆様お疲れさまでした! 

[1801] 1月の演奏会(1)

  • 2018.01.07 Sunday
  • 07:10

❖ 和洋音楽のトリオが二人のゲストを迎えて・この演奏会は終了しました

・1月13日(土)午後2時開演

・京都市生涯学習総合センター(京都アスニー)

         (中京・丸太町七本松西入ル)

 

・和洋音楽ユニット<すばる>の呉山、仙崎、福原

 の皆さんとは旧知の仲間です。2014年にもこの

 京都アスニーで僕の曲を演奏してもらっていま

 すが、今回は委嘱作を含む次の2作品(曲数では

 3曲)が予定されています。

 

・(1) 「旅はるか空いろの夢」(2017)

・(2) 伊勢物語より

   第9段「かきつばた望郷」(2007)

         第23段「つつ井筒竜田越え」(2010)

 

・(1)はオーボエと箏のための委嘱作で、今回が初

 演となります。呉山・福原のコンビのために作

 曲した二重奏としては3作目にあたり、爽やか

 な緑の風を感じ取ってほしいと思っています。

 

・(2)はソプラノの藤田めぐみさんに加わっていただき、伊勢物語の原文をテキストに使っての

 琴歌です。歌と箏と尺八のために書いたものですが、ここでは尺八のパートをオーボエが演

 奏します。第9段は「むかしおとこ」在原業平のあずまくだりのストリーの最初に出てくる

 三河の郷・八橋の里でのエピソード、第23段は幼時の頃から近所で育った男女の恋の成就と

 破局と再生を語るエピソードです。この第23段は3年前にも神戸で狩屋瑠美さんによって再

 演されていますが、歌だけでなく、原文による語りが何度か入るこの作品、今回の藤田さん

 のステージにも大きな期待が持たれます。

 

・大阪も京都も陽射しはあるものの、底冷えが一段ときびしい一日でした。僕もこの日に風邪

 を移されかけたのか、翌日から体調がダウンしましたが、今は回復しています。熱心な聴衆

 の皆さんを迎えて、すでに満席になった小ホールでのひと時、呉山氏の解説なども加わって

 とても和やかな演奏会でした。(1)の初演曲は、爽やかな季節を主題とした曲なので、伸び

 やかな演奏で大成功でした。ソプラノの藤田さんも手慣れた演奏で、皆さんが周知の名曲を

 歌われましたが、ただ、(2)のような古文そのものを声に出す時は、やはり現代人に馴染み

 のない言葉なので、よほど明確に子音を発声しないと、何を言ってるのかが判りにくい場合

 もあり、今後さらに発声を工夫してほしいと感じた時もありました。しかしこの種の初めて

 の作品に取り組んでくださったことに、とても感謝しています。次回もまたよろしく!

[1800] 2018年、今年もよろしく!

  • 2018.01.06 Saturday
  • 21:03

❖ あけましておめでとうございます。今年もよろしく!    

 

・この粗末なブログも、おかげさまで4度目の正月を迎えました。すでに昨年冒頭でもお伝えし

 ましたが、数年来の課題だった我々の「一般社団法人・波の会日本歌曲振興会」の法人組織が

 昨年3月末日で無事に解散を果たし、僕自身も副会長としての職を解かれて自由の身?になり

 ました。今後は東京、湘南、名古屋、関西のそれぞれの地区が、それぞれ個別の社団として、

 これまでの活動を継続展開し、将来ふたたび全国組織として集結しよう、という新ステップを

 踏み出しています。旧会の本部機能を継承する「日本歌曲振興波の会」の名誉会員となった僕

 自身も、その意味では東京とのご縁が完全に切れた訳ではなく、今後も新作歌曲の分野で協力

 してゆくつもりですが、これまでの関西支部が「日本歌曲関西波の会」と名称が改まったのを

 機に、こちらでの会長として、旧支部会員の皆さんのお世話をさせて頂くことになりました。

 雨降って地固まる、と言いますが、若い世代の新会員も加わり、今年もますます切磋琢磨して

 活動を進めてゆこうと頑張っています。どうかご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

・これまたすでに記しましたが、昨年は自宅で悠々自適どころか、制作に追われる日々でした。

 今なお僕の拙い曲に関心を持ってくださる方がおられるのは、たいへん心強く大きな励みです。

 歌曲や合唱曲のほかにも、これまで手がけてきた邦楽器(ことに箏)とかフルート、マリンバ、

 ユーフォニアム、ハープなど、狭い守備範囲のなかで、自分なりに納得出来る曲を提供しよう

 と考えています。この年頭所感のアップが正月三ケ日をずれ込み遅れてしまったのも、じつは、

 昨年暮れから書き始めた次の制作に興が乗ってしまい現在も継続中で、あと数日で完成できる

 という現況にあるからなのですが、これは又いずれ完成して清書譜面ができた後に。‥‥‥

 まずは、遅ればせながら年頭のご挨拶と、今月半ばに迫っている2件の演奏会のご案内まで。

 有難うございました。

[1736] 12月の演奏会(2)事後報告

  • 2017.12.29 Friday
  • 11:05

❖ 和洋合奏による昼ひとときのクラシック   ・この演奏会は終了しました

・12月20日(水) 正午12時開演

・東京・宝くじドリーム館(京橋2丁目)

 

・先日インターネットで自分の曲が演奏されるト

 ピックを偶然見つけました。演奏者のお名前は

 ことに箏奏者のお名前には記憶があったのです

 が面識のない方でしたから、どんな演奏をして

 くださるのか、とても楽しみで、幸い20日は他

 の予定も入っていなかったので、正午の東京に

 間に合うように、早めの新幹線に乗り、JR八重

   洲口から徒歩でも行ける会場へ「覗き伺い」に

 行ってきました。

 

・会場は宝くじのショウルームの1階フロアで、

 本来なら各種くじの抽選会が行われる平土間

 ですが、抽選会のない日を選んで、年に何回か

 無料公開のミニ・コンサートが企画されていて

 その第8回が、クラリネット/小谷口直子さん、

 箏/片岡リサさんによる今回のコンサートでした。


・「箏とクラリネットとの素敵な出逢い」という

 タイトルで、会場いっぱいとなった聴衆の方々

 を前に、楽しいトークを交えつつ、60分余りの

 演奏が進みました。お二人とも、確実な演奏力

 の持ち主、箏の片岡さんは歌唱も立派で、地歌の

 邦楽的な歌い方だけでなく、洋楽の歌い方もよく

 声が通り、素晴らしいと感じました、僕の作品は

 以前トピック[1622]でも紹介しましたが、

 

・クラリネットと箏のための組曲

              「巷歌拾遺」(1994)

 

 という、箏とクラリネットのために書かれた数少

 ない(自分で言うのも何ですが)作品で、この中

 から1,2,4の楽章をチョイスしての演奏でした。

 第2楽章の2声インベンションは、しばしば箏の

 指がもつれるのですが、片岡さんの演奏は完璧で、

 テンポにも揺るぎがなく、すばらしいものでした。

 

・‥‥そういう訳で、作曲者としてはとても嬉しく、

 覆面のまま会場を去るのは、あまりにも失礼と感じたので、演奏会終了後にご挨拶し、またの

 再会を期して、会場をお暇しました。実は、お二人とも関西在住で、クラリネットの小谷口さん

 が、この「巷歌拾遺」の楽譜を紹介されたのは、オーボエの呉山平煥氏からだったと聞かされ、

 びっくりしました。片岡さんの声を活かし、クラリネットの低いシャルモー音域も活かしての

 新作を、将来お二人のために提供できたら良いな、と思っています。ともあれ、素敵な演奏を

 有難うございました!

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